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JapanRx / 幹線道路の近くに住むことで認知症リスクは高まるのか?

幹線道路の近くに住むことで認知症リスクは高まるのか?

アルツハイマー病や他の認知症の可能性を減らすことはできるのでしょうか。
新しい研究は、幹線道路から離れた家を選ぶことでその助けとなることを示しています。

カナダの調査によると、交通量の多い場所に比較的近い住民には認知症のリスクがわずかに高いことがわかりました。

具体的には、このタイプの精神的な衰退は、幹線道路から約160フィート(約50m)以内に住んでいた人々の間でより一般的であったという調査が見つかりました。
そして、より幹線道路に近い場所に住んでいればいるほど、その関連性は強いようです。

1月4日にThe Lancetで発表されたこの研究では因果関係を証明することができず、関連性のみが証明されたと研究者らは強調しました。

しかし、オンタリオ州の公衆衛生学者であるホン・チェン博士は、幹線道路が認知症の発症を引き起こす可能性のある環境ストレスの原因となる可能性があると示唆しています。

この発表を見たある神経学者は、興味深い疑問を提起していると述べました。
ポール・ライト博士は、「この大規模な研究により、健康上の懸念が考慮される必要があります。」と述べています。
彼はのニュージャージー州マンハセットのノースショア大学病院で神経学科の部長を務めています。

「認知症率が上昇し、公衆衛生上の問題が深刻化する中、社会はこの研究の成果を認識する必要があります。」と彼は語りました。
「都市計画者と政策立案者は、都市開発が住民の健康に及ぼす影響を考慮する必要があります。」

この研究では、チェン博士と彼のグループは、2001年から2012年にかけて、20歳から85歳までのオンタリオ州の住民660万人について追跡調査を行いました。
研究チームは参加者の郵便番号を使用して、彼らが幹線道路にどれくらい近い場所に住んでいるかを判断しました。

研究者はまた、痴呆、パーキンソン病または多発性硬化症などの神経学的状態がどれだけ発生したかを計算するために、住民の医療記録を調べました。

参加者の大多数(95%)は、幹線道路から1マイル(1.6km)未満のところに住んでいました。
研究者はまた、居住者の半数が繁華街から約650フィート(198m)以内に住んでいることを発見しました。

研究の過程で、24万3千人以上が認知症を発症し、31,500人がパーキンソン病を発症し、9,250人が多発性硬化症と診断されました。

しかし、痴呆症のみが幹線道路の近くに居住していることに関連していました。
チェン博士のチームは、交通量の多い場所から遠くなるにつれて、痴呆症ののリスクが低下することを発見しました。

幹線道路から164フィート以内に住む人々は、認知症のリスクが7%高かったという調査結果も見つかりました。
その増加は、メインストリートから300フィート離れた住人の場合は4%、650フィートまで住んでいた場合は2%に減少しました。

幹線道路から650フィート以上離れたところに住むことは、認知症のリスク増加とは関連していなかったと研究者らは述べました。

全体的に見て、原因と結果の関係がある場合、幹線道路から164フィート以内に住む人々の認知症の症例の11%が、この交通量に起因すると推定されます。

ある種の大気汚染物質(二酸化窒素と微粒子状物質)に長期間さらされることは、痴呆のリスクが高いことと関連していましたが、これらの共通の汚染物質は問題のほんの一部である可能性が高いと指摘されました。
他の大気汚染物質、あるいは交通騒音へ晒されることも影響しているかもしれないと考えています。

「交通量の増加と認知症発生率の増加に伴い、道路周辺からの穏やかな影響といえども、公衆衛生上の負担が大きくなる可能性があります。」と、
チェン博士は推測しています。「この関連性を理解するためには、より多くの研究が必要です。」

リリアン・カルデロン・ガルシデュナス博士は、モンタナ大学の生物医学の教授です。
ジャーナルの解説で博士は、「交通には、環境破壊につながる複雑な混合物が含まれ、それに晒されるということも含まれています。」と付け加えました。

潜在的に交通量に関係している可能性のある認知症の発生率を下げるためには、今から何十年もかけて積極的に対策を講じるのではなく、予防対策を実施しなければなりません。」とカルデロン・ガルシデュナス博士は記しています。

(記事元)https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/alzheimer-s-news-20/does-living-near-major-roads-boost-dementia-risk-718363.html