幼児期では睡眠の主な役割は学習のサポートから脳の維持に変化

長時間の睡眠不足は、人間や他の動物に深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

しかし、なぜ睡眠が私たちの健康にとってそれほど重要なのでしょうか。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）が主導する科学者チームがこの疑問に初めて答え、2歳半で睡眠の目的に劇的な変化が起こることを示しました。

その年齢に達するまでに脳は劇的に成長します。

レム睡眠中に鮮やかな夢を見るのは、若い脳がシナプス（ニューロンを相互に接続し、それらが通信できるようにする構造）の構築と強化に忙しいためです。

「レム睡眠中の赤ちゃんを起こさないでください。睡眠中に脳で重要な作業が行われています。」

と、30年以上にわたって睡眠の研究を行ってきたUCLA統合生物学および生理学の教授である上級研究著者のジーナ・ポー氏は述べています。

しかし、2年半後、睡眠の主な目的は脳の構築から脳の維持および修復に切り替わり、それが私たちの残りの人生ではそれを維持するのが役割になると、科学者は9月18日にScience Advances誌で報告しています。

この移行は、脳の発達の変化に対応すると研究者たちは述べています。

すべての動物は、起きている間に、ある程度の神経学的損傷を自然に経験しますが、ニューロン内の損傷した遺伝子やタンパク質を含む、その結果として生じる組織の破片が蓄積し、脳疾患を引き起こす可能性があります。

睡眠は、この損傷を修復し、破片を取り除くのに役立ちます。本質的には脳を整頓し、深刻な病気につながる可能性のある破片を取り出します。

UCLAの生態学と進化生物学および計算医学の教授である、上級著者のヴァン・サベージ氏と彼の同僚によれば、この脳の修復のほとんどすべてが睡眠中に起こります。

「これが短期間にどれほど大きな変化であるか、そして私たちは、幼少期にこの切り替えが起こることに衝撃を受けました。」

とサベージ氏は述べました。

「それは水が凍り氷になるときに類似した移行です。」

神経科学、生物学、数学、統計学の専門知識を持つ科学者を含む研究チームは、人間や他の哺乳類に関する60件以上の睡眠研究のデータを使用して、これまでの睡眠の最も包括的な統計分析を行いました。

彼らは、開発全体の睡眠に関するデータ（総睡眠時間、レム睡眠時間、脳のサイズと体のサイズを含む）を調べ、脳と体のサイズによって睡眠がどのように変化するかを説明する数学モデルを構築してテストを行いました。

データは非常に一貫性がありました。

すべての種は、約2歳半の人間の発達に相当する段階に達したときに、レム睡眠の劇的な低下を経験しました。

研究者がウサギ、ラット、ブタまたは人間を研究したかどうかにかかわらず、その時点の前後でレム睡眠に費やされた時間の割合は、ほぼ同じでした。

科学者たちは、レム睡眠は発達中の脳のサイズの増加に伴って減少することを発見しました。

新生児は睡眠時間の約50％をレム睡眠に費やしていますが、10歳までには約25％に低下し、年齢とともに減少し続けます。50歳以上の成人になると、睡眠時間の約15％がレム睡眠です。

約2歳半で発生するレム睡眠の大幅な低下は、睡眠機能の大きな変化が起こったときと同じだとポー氏は述べました。

「睡眠は食事と同じくらい重要です。」

「そして、睡眠が私たちの神経系のニーズにどのようにうまく適合しているのかは奇跡的なのです。クラゲから鳥、クジラまで、誰もが眠ります。私たちが寝ている間でも、脳は休んでいません。」

慢性的な睡眠不足は、認知症やその他の認知障害、糖尿病、肥満などの長期的な健康問題の原因となる可能性があると、ポー氏は述べました。

彼女は、疲れを感じ始めたらそれと戦わずさっさと寝るように助言しました。

「私は大学時代、睡魔と戦いながら徹夜していました。そして、今は、それが間違いだったと思っています。」

とサベージ氏は述べました。

「私はぐっすりと睡眠をとったほうがよかったのだと思います。今、私は、疲れを感じて睡眠を取ることに何の罪悪感もありません。」

ポー氏は、ほとんどの成人にとって、1晩に7時間半の睡眠をとることは正常であり、横になっていても起きているのであれば、その時間は考慮されません。

子供はより多くの睡眠を必要としますが、乳児は大人の約2倍の睡眠量を必要とします。

乳児のレム睡眠の大きな割合は、脳のサイズと体のサイズの非常に広い範囲にわたって成体の哺乳類で観察されたレム睡眠の量とはまったく対照的です。

成人の人間では、1晩の睡眠中に5つのレムサイクルを持ち、各サイクルで夢をいくつか見ます。

安眠は無料の良薬だとポー氏は言います。

【以下のリンクより引用】

Medical Xpress