幼少期から始めればより多くの10代の若者に髄膜炎菌ワクチンが接種される
(ロイターヘルス) ‐ 青年期までに初回の接種を受けた10代の若者は、推奨される2種類の髄膜炎菌ワクチンのうち少なくとも
1種類を接種される可能性が高いと米国の研究では示唆されています。
髄膜炎菌性疾患は、血流感染症や脳や脊髄の激しい腫脹を引き起こすことがある深刻な細菌感染症です。
それに罹患した人々の約10%~15%が死亡し、そして生きることができた人も神経障害、四肢または指の喪失、また、聴力損失のような持続的な障害が起こります。
米国において、定期的な小児期の予防接種の勧告は、小児が4種類の髄膜炎菌細菌から保護する、いわゆる『MenACWYワクチン(髄膜炎菌結合型ワクチン)』
を2回接種する必要があります。
11歳または12歳で1回、16歳でブースター(効能促進剤)の接種です。
研究者らは、17歳までに一次接種とブースターの両方を受けているのは10代の半数以下であると『 Adolescent Health』誌に記しています。
この研究において、研究者らは、民間の健康保険または米国の貧困者向け医療プログラムで「Medicaid」による補償のいずれかを用いて、
100万人以上の若者について収集された予防接種データを調べました。
全体的に、年少の子供たちは、少なくとも1回のMenACWYワクチンの接種を受けています。
民間保険に加入している10歳半から13歳の子供のうち、72%が少なくとも1回の投与を受けていました。
そしてそのうちの59%の子供がMedicaidの保険に加入していたことが調査でわかっています。
対照的に、少なくとも1回のワクチン接種を受けたのは、民間保険に加入している15歳半〜18歳の10代はわずか49%、
Medicaidを受けているのは32%でした。
ノースカロライナ州リサーチトライアングルパークにあるRTI Health Solutionsの主任研究著者である、サマンサ・クロスキー博士は次のように述べています。
「予防ケアを中心とした、より多くの、伝統的な予防接種の場、例えば、小児科医などへ訪問する機会は益々少なってきているため、
予防接種を受ける機会も少なくなっている可能性がります。」
MenACWYワクチンの製造元であるグラクソ・スミスクライン社は、研究を行うためにRTIと雇用契約を行い、データ分析および結果の公表を含む
研究のすべての段階に関与しました。
小児科医がこの研究でワクチン接種の大部分を行い、そして他の医療機関で受診した10代の子供は小児科医にかかった子供より
ワクチンを接種される可能性がより低かったようです。
また、年長の子供、年少の子供も両方とも予防的な検診でインフルエンザの予防接種や他の推奨される予防接種と同時にMenACWYワクチンを受けていたようです。
これは、10代の若者では、他の予防接種を受けなかったときにこのワクチンを接種したのは、3分の1近くとそれほど一般的ではありませんでした。
この研究の限界の1つは、2011年から2015年までの予防接種を調査したことであり、結果が現在の予防接種率を反映していない可能性があります。
研究者たちはまた、10代の若者が予防接種のために必要な両方(2回)のワクチンの接種を受けたかどうかについても評価しませんでした。
コロンバスにあるオハイオ州立大学の国立小児病院のマイケル・ブレイディ博士はこの研究には携わっていませんでしたが、
予定通りに初回の予防接種を受けた10代の子供は、年齢が上になるまで初回の接種を受けていない若者よりも、完全に2回の予防接種を受ける可能性が高い
と述べました。
「彼らが定期的に毎年、小児科検診を受けていたら、彼らはより早期の最初の投与を受けれたでしょう。」
【以下のウェブサイトより引用】