店頭の睡眠補助薬は認知症と関連
新しい研究によると睡眠補助剤や抗ヒスタミン剤ベナドリルを含む抗コリン剤は認知症リスクを引き上げる可能性があることが示唆されました。抗コリン剤は脳内の神経伝達物質アセチルコリンの作用を阻害することで知られています。この効果が多くの副作用を引き起こす可能性があり眠気、便秘、口や目の乾き、尿閉などが含まれます。専門家によると処方箋なしで購入できる睡眠薬などにも強い抗コリン効果があることを知ることが必要だと述べています。もし医師が抗コリン薬を処方した際には定期的な監視が必要であり、効果がない場合には治療をとめるべきだとしています。認知症と抗コリン薬の関連性は以前にも指摘されていましたが新しい研究ではより7年以上の追跡調査をおこない、より厳密なものとなりました。薬局の記録と照合することで処方箋なしの抗コリン作用薬の使用も知ることができました。
認知症リスクは抗コリン薬の服用を中止後も長く続くことも分かっており、3年以上薬の投与を続けた場合には認知症リスク上昇につながるとされています。認知症既往歴のない65歳以上の3500人の男女を集め、抗コリン薬に対してどのような作用を示すのか実験を行いました。抗コリン薬の服用を10年以上つづけている患者へ、平均7年の追跡調査を行いました。実験期間中に800人近くの患者が認知症を発症しました。最も良く使用された薬はクロルフェニラミンやクロルトリメトンなど抗ヒスタミン薬やドキセピンなど抗ムスカリン薬でした。
研究チームは1日少なくともドキセピン10mg、やクロルトリメトン4mg、オキシブチニン5mgを3年間以上服用している人は認知症発症リスクが高まると発表しました。専門家はドキセピンとクロルフェニラミンの代替薬としてシタロプラムなど選択的セロトニン再取り込み(SSRI)やロラタジン(クラリチン)のような第二世代抗ヒスタミン薬を服用するように推奨しています。