心臓病のリスクが高い?ならば血圧管理を厳しくすることが役立つはず
2020年2月28日(HealthDay News)- 心臓病のリスクが高い場合は、血圧を標準の目標レベルより低く設定することで寿命が延びる可能性があると新しい研究が示唆しています。
具体的には、集中的な血圧抑制を始める年齢に応じて、収縮期血圧の目標値は標準の140mmHgではなく、120mmHg未満とすることで、6ヵ月から3年の余命の延長が期待できます。
収縮期血圧は、血圧測定値の上の値です。
研究著者でアメリカ・ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院の心臓病専門医である、ムティア・バドゥガナサン博士は次のように述べています。
「私たちが望むことは、長期にわたる持続的な血圧制御の潜在的な利点とリスクについて議論するときに、これらの調査結果がより簡単に伝えられるメッセージの役割となることです。」
また、次のように付け加えています。
「平均余命に関するこれらの統計は、患者にとってより具体的で個別化されている可能性があり、これらの決定を行う際にはより関連性があります。」
2015年に公開された画期的な試験では、集中的な血圧の管理により、心疾患のリスクが高い成人の全体的な死亡率が27%低下する可能性があることが示されましたが、患者がそれがどのように影響するかを完全に理解していないと研究著者は述べています。
そこで、研究者は、患者にとってより意味のあるものになるように、調査結果を再構成しました。
研究チームは、心臓病のリスクは高いが糖尿病を患っていない50歳以上の9,000人を超える成人のデータを再分析しました。
患者は全員、収縮期血圧が130〜180 mm Hgでした(130 mm Hg以上は高血圧とみなされます)。
患者は、集中的な血圧の管理(120 mm Hg以下)または標準的な管理(140 mm Hg以下)での収縮期血圧の目標グループに分けられ、無料で降圧薬が与えられました。
彼らは平均して3年程度の期間、追跡調査が行われました。
報告によると、すべての患者が生涯、血圧薬を服用し続けた場合、集中的な血圧目標で管理を行った人々は、標準的な血圧目標で行った人よりも6ヶ月から3年長く生きることができました。
研究者は、集中的な目標で管理を行っていた人での余命の長さは、彼らが血圧薬を服用し始めたときの年齢に依存しており、50歳で始めた人は2.9年、 65歳で始めた人は1.1年増え、そして、80歳で始めた人は9ヶ月増えるであろうと説明しました。
分析では、腎障害や低血圧など、集中的な血圧管理に関連する潜在的なリスクは考慮されていなかったと研究著者らは述べました。
この調査報告は、2月26日にJAMA Cardiologyのオンライン版で公開されました。
【以下のリンクより引用】
At High Risk for Heart Disease? Strict Blood Pressure Control Should Help
Health Day