性的指向は皮膚がんのリスクに関与するのか?
2020年2月19日(HealthDay News)- 新しい研究によると、アメリカでのゲイやバイセクシャルの男性は異性愛の男性よりも皮膚がんの発生率が高く、バイセクシュアルの女性は異性愛の女性よりも発生率が低いようです。
ボストンのブリガムアンドウィメンズ病院の研究者は、2014年から2018年に実施された全国調査から抜粋したデータを分析しました。そして、皮膚がんの発生率は同性愛者の男性で、8.1%、両性愛者の男性で8.4%、異性愛者の男性で6.7%であることがわかりました。
この割合は、両性愛者の女性で4.7%、レズビアンの女性では5.9%、異性愛者の女性で6.6%でした。
研究者によると、レズビアンの女性と異性愛者の女性の割合の差は、統計的に有意ではありませんでした。
これらの調査結果は、皮膚癌のリスクを軽減するための患者への教育、およびコミュニティ援助プログラムにとって重要である可能性があると研究著者らは述べました。
「全国の健康調査で性的指向と性同一性について尋ねることは絶対に重要です。そういった質問がされなければ、これらの違いが存在することも知ることができません。」
と、ブリガムアンドウィメンズ病院で皮膚科入院サービスの所長を務める、研究著者のアラシュ・モスタギミ博士は述べました。
「この情報は、健康リソースをどう割り当てるのか、そして、医療提供者と指導者をどのように訓練するかを国民に知らせるのに役立ちます。」
と博士は述べました。
「格差という点を見るとそれは不快かもしれませんが、引き続きこれらの質問を行い、対処方法が改善されているのか、もしくは、悪化しているのかを確認する必要があります。」
「過去には、この種の健康に関する変動については隠されていましたが、臨床的に意味があるということが今では認識されています。」
とモスタギミ博士は指摘し、性的指向に関する情報がこれらの全国調査に含まれるようになったのは、ごく最近のことだと述べました。
「性的マイノリティの人の皮膚がん率に関するデータを全国的に確認することができたのはこれが初めてです。」
と彼は述べました。
「次のステップとして、性的マイノリティの人の地域社会とつながり、皮膚がんの発生率のこれらの違いの原因を特定したいと考えています。」
とモスタギミ博士は述べました。
「これは思慮深く行う必要がある作業ですが、性的マイノリティの人々だけなく、すべての人を救済する可能性があります。」
この研究は2月12日、JAMA Dermatology誌のオンラインへ掲載されました。
【以下のリンクより引用】
Does Sexual Orientation Play a Role in Skin Cancer Risk?
Health Day