慢性痛があるとき、不眠症に打ち勝つ方法
第一に:不眠症を理解する
慢性的な痛みによって入眠が困難になる理由を理解するには、自身の就寝習慣について考えると良いでしょう。ほとんどの人はリラックスして眠りにつくため、電気を消したり、騒音をなくしたり、快適な環境を作るなどして、気を散らすものを排除します。「しかし、慢性痛がある人は、このような静かな環境が、実際問題の引き金になることがあります。」と、睡眠専門家のマイケル・ドレラップ医師は言います。残念なことに、ほかに気を散らすものがないと、痛みは「より大きく」感じ、多くの場合、眠りにつくとき痛みの感覚(実際の痛みではないこともある)が増大することになります。
第二に:治療法を理解する
不眠症の認知行動療法(CBT-I)には、睡眠の質を向上させ、睡眠を妨げる思考や行動の変化に役立つ様々な戦略が組み込まれています。多くの場合、この種の治療法は副作用がなく、長期的により効果的であるため、薬剤療法よりも好まれます。CBT-Iの主な目的の一つは、否定的な考えや眠りを妨げる心配事を排除もしくはコントロールすることです。CBT-Iを受けることで、睡眠に関連した思考により意識を向け始めるようになります。「コントロールできれば、このような思考は減り、眠りにつきやすくなります。」と、ドレラップ医師は言います。不眠症に役立つもう一つの戦略は、筋肉のこわばりを取り除き、観念奔逸から気を逸らすリラクゼーション療法です。この療法には、特定の筋肉群のリラクゼーション、誘導イメージ法、瞑想が含まれます。「どのリラクゼーション方法を用いるにしても、この治療には専門家による指導のもと、複数回にわたってこの技術を習得する必要があります。」と、ドレラップ医師は言います。彼女は、不眠症のための個人および集団でのCBTセッションを実施しています。「通常、患者は3~8回のセッションに参加し、必要な技術を学び、自分に合った方法を見つけます。」と、彼女は話します。幸いなことに、不眠症用のCBTは、治療を受けた患者の70~80%に効果があることが証明されています。
第三:良い睡眠習慣を理解する
上述の治療法が効果を発揮するためには、あなた自身が良好な睡眠習慣に従う必要もあります。ドレラップ医師は以下に、基本的なガイドラインの主要点を説明しています。・寝室は睡眠と性交にのみ使用しましょう。読書やテレビの視聴、心配事など、睡眠と相いれない行動は避けてください。眠気を感じたときのみ寝室に行きましょう。ベッドに入って15~20分以内に眠れない場合は、いったん起きて別の部屋に行きましょう。再び眠くなった場合のみ、寝室に戻ってください。(必要があれば、これを繰り返します。)・各晩の睡眠時間によらず、規則的な起床時間を維持しましょう。日中の昼寝は避けましょう。就寝前のカフェインやアルコールに注意してください。就寝前の数時間は、運動をしないでください。
出典 2020年8月10日更新 Health essentials『How Long Do You Need to Isolate After Having COVID-19?』 (2020年8月11日に利用)
https://health.clevelandclinic.org/managing-insomnia-for-those-with-chronic-pain/