手作りの日焼け止めは危険?
2019年5月21日火曜日(HealthDay News) - 「自前の日焼け止め」への関心は高まっていますが、
これらのお手製の調合の多くは効果的な日焼け防止効果を欠いていると新しい研究は警告しています。
研究者たちは、人気のある情報サイト『Pinterest』の自家製日焼け止め剤の約3分の1だけが、それぞれの「天然の」日焼け止め剤に含まれる
日焼け防止係数(SPF)の量を満たしていることを発見しました。
いくつかのケースでは、SPFの含有量は、”2” にまで下がり、老化を早めたり皮膚癌を予防するための推奨ガイドラインをはるかに下回っています。
全体では、10種類の日焼け止めレシピのうち7種類は危険な紫外線(UV)から肌を適切に保護することができませんでした。
研究著者である、ノースフロリダ大学のジュリー・メルテン博士は、次のように述べています。
「消費者が自分たちで作った製品に何が入っているのかについて注意を払うというのは素晴らしい傾向です。」
しかし、彼女と研究者のグループは、「Pinterest」を使って自分の日焼け止めを作る場合、
それが真に検証された方式であることが確認されていることを気にするよう注意を促しています。
市販の日焼け止め剤とは異なり、Pinterestのレシピはテストも規制もされていないため、害を及ぼす可能性があるとメルテン博士は述べました。
メルテン博士は、サンゴ礁の生息地の破壊やホルモンを破壊する化学物質など、いくつかの市販の日焼け止め剤について「正当な懸念」があることを認めました。
これらは「より自然で有機的な製品へ社会的にシフトしていること」に一致していることを指摘しました。
最近行われた、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究で、4種類の一般的な市販の日焼け止め化学物質、
オキシベンゾン、アボベンゾン、オクトクリレン、およびエクアムスレールに関する懸念が提起されました。
4つすべての化学物質が、米国食品医薬品局の安全基準をはるかに超える値でユーザーに使用されていたことが判明しました。
それでも、UCSFの研究チームは、誰かの健康が危険にさらされているといった結論を下しませんでした。
そして、何人かの専門家は、FDAが承認した日焼け止め剤の、抗ガン効果とアンチエイジング効果が、その懸念を引き起こす可能性があると考えています。
そういった専門家の一人が、ニュージャージー州バスキングリッジにあるメモリアル・スローン・ケタリング癌センターの
皮膚科長であるスティーブン・ワン博士です。
「SPFが15以上の日焼け止め剤は、黒色腫と扁平上皮癌の両方のリスクを低下させ、しわや色素沈着を予防するといった多数の科学的データがあり、
それがメリットです。」
とワン博士は述べました。
「しかし、人々が自宅で日焼け止めを作るという観点では、恐らく恐怖よりも科学という考えに基づいているのではないと思います。」
皮膚癌財団の光生物学委員会の委員長も務めるワン博士によると、これらは製造が容易な製品ではありません。
「内容に含まれるフィルターの中には水溶性のものもあれば油溶性のものもあります。
そのため、分子が分離する可能性があり、最終的な保護効果は得られません。」
と説明しました。
機能しない自前の日焼け止めを使用することは、まったく何も使用しないということよりも危険かもしれないと彼は警告しました。
「日焼け止めを使わずに肌に油を塗ると、紫外線が肌の奥深くまで浸透するようになるからです。」
メルテン博士は、そのため日焼けからユーザーを守ることが怪しくなる可能性があると述べました。
FDAはSPF 15以上の日焼け止めを勧めています。
アメリカ皮膚科学アカデミーの推奨最小値はSPF 30です。
ほとんどの専門家は、外出する30分前に日焼け止めを塗ることを勧めています。
水泳をしたり屋外で汗をかいている場合は、少なくとも2時間ごとに再度塗布してください。
この報告書は、Health Communicationの5月20日号に掲載されました。
【以下のウェブサイトより引用】