抗うつ薬のセックスライフへの影響 - 黙って苦しんでいてはいけません。
マックス・ペンバートン医師より。
すべての投薬には副作用があり抗うつ薬にも、もちろん副作用があります。
医師が患者に副作用として発生する可能性がある症状として警告するものには、吐き気、頭痛、めまいなどがあります。
しかし、非常に一般的であるにもかかわらず、医師があまり話をしないタイプの副作用のひとつに性的な副作用があります。
恥ずかしいという思いからか。セックスについて話すことは容易ではなく、これはまた、医師にとってだけではなく、患者にとっても同様です。
医師は患者にその可能性を警告して困惑させたくはないのです。
さらに悪いことに、患者はしばし、そういった副作用が発生しても医師へはなかなか話しずらいものです。
しかし、これは変えていく必要があるものです。というのも抗うつ薬の性的副作用が、投薬を止めてしまうという理由の1つであることを知っているからです。
【抗うつ薬の性的副作用】
性的な副作用について話すというのは、どういう意味でしょうか?
勃起不全 - 勃起困難、勃起の維持困難 –は、 最も注目される傾向があります。
しかし、一部の男性は勃起を達成することができるものの、射精までには非常に時間がかかります。
これは、男性の彼らだけでなくパートナーにとっても、非常に悲惨で不快なものになります。
しかし、その影響を受けるのは男性に限ったことでもありません。
抗うつ薬を服用している女性にも、オルガスム達成の問題が報告されています。
そして両方の性別について、抗うつ薬は性欲の喪失を引き起こす可能性があるのです。
最初に、性的な副作用を経験したとしても、必ずしも悩ましいものとは限らないということを知ることです。
うつ病の重要な症状の1つには性欲の減少があるため、投薬が必要なほどうつ病に罹患している多くの人々にとって、セックスは、優先事項ではありません。
うつ病の男性の約半数は勃起不全を経験しており、同様の数の女性がセックスにほとんど関心を示さないということがあげられます。
欲望の喪失は、うつ病の症状ではなく、抗うつ薬の影響であることを認識することも重要です。
【セックスの問題】
理由が何であれ、セックスをするよりも、うつ病を治療する方がはるかに良いという人もいます。
淡泊な人にとっては、性欲の低下は、例えば、勃起を維持することができない場合、特に悩むことでもないことを意味するかもしれません。
人によってはセックスやマスターベーションによる快感がパートナーとのつながりの源泉になるかもしれません。
このような状況では、性的副作用がうつ病でよく見られる孤立感を増強したり、悪化させたりする可能性があります。
私は若い男性のひとりの患者が、抗うつ薬が、自分とガールフレンドを結びつけていた楽しいこと(セックス)を奪い去ってしまったと言っていたことを思いだしました。
こういった副作用が人々の生活にどのような悪影響を及ぼす可能性があるのかを見るのは簡単です。
【最悪の犯罪者】
いずれの抗うつ薬も性的な問題を引き起こす可能性がありますが、他のお薬よりも強い傾向があるものもあります。
性的困難に最も関連する抗うつ薬は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬またはSSRIとして知られる医薬品群です。
それらはまた、最も一般的に処方されている抗うつ薬です。
シタロプラム、エスシタロプラム、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリンおよびデュロキセチンなどが含まれています。
抗うつ薬には性的副作用が少ないものもあり、ブプロピオンやミルタザピンなどがあります。
【個人差がある】
誰もが副作用の影響を受けるわけではないことを強調することが重要です。もし誰かに性的副作用が見られても、心配する必要はありません。
それは一般的であり、対処方法はいくつかあります。重要なのは、これについて医師と話すことです。
まず、他の多くの副作用と同じように、身体が薬に慣れていくと、副作用もなくなっていきます。
それを体感するには数週間から1ヵ月かかることがありますが、多くの人は、ちょっと時間を置いて様子を見るだけで解決することが分かります。
【対処として何が役だつのか】
女性の場合は膣内の乾燥があります。これは潤滑剤を使用することによって比較的容易に克服することができます。
オイルベースの潤滑剤はコンドームを破損する可能性があるため、ウォーターベースの潤滑剤を使用することが重要です。
また、オーガズムを達成するのが非常に困難であるか、完全に喪失してしまった状況を感じることがあります。そして最後には、性欲も減退していきます。
投薬量を調整することもしばしば役に立ちます。
性的副作用は、高用量ではより一般的であるため、用量をわずかに減らすことによって、抗うつ薬の気分的な便益を得ることはできますが、また性機能への影響を避けることができることがよくあります。
用量は、安全に治療を完了したことを確認する必要があるため、医師の指導のもとでのみ調整されるべきです。
線量が減少したら、気分が悪化する可能性があることを念頭に置いておく必要がありますので、それに注意してください。
繰り返しますが、用量を調整するにはしばらく時間がかかりますので、改善が実感できるまで数週間かかるかもしれません。
一部の人々に、投薬時間を変え、きるだけセックスをしたい時間帯を避けることで助けになることもわかっています。
それでも問題がある場合は、抗うつ薬を切り替えることを医師が考慮している可能性があります。
投薬には個人差もあり、異なる投薬には異なった反応があるため、別のSSRIに切り替えるだけでそれが役だつことがよくあります。
もしそれがうまくいかない場合は、別の薬剤のグループの別の抗うつ薬を試すことも、この問題の解決策のひとつです。
シルデナフィル(バイアグラ)などの他の薬剤は、勃起障害の男性を助けることができ、オルガズムが遅れたり、潤滑が不十分な人を助けるために女性にも使用できるという証拠がいくつかあります。
抗うつ薬のブプロピオンを加えることで、SSRIの男性と女性が性欲を増強し、欲求を高めるのに役立つことがあります。
テストステロンゲルはまた、性欲不振または勃起障害の低いSSRIの男性を助けることがわかっています。
本当に重要なのは、投薬に際し、パートナーと性的な副作用について話すことです。
お互いどのような問題があるかを知りたいとは思うでしょうし、個人ではなくカップルで対処するほうがずっと容易なのです。
恥ずかしいことは何もありません。話し合うことでパートナーの支援と安心を得ることができます。
抗うつ薬での性的な問題はよくあることですがこれに取り組む多くの選択肢があります。黙って苦しんではいけません。医師へ助けを求めて下さい。
【以下のサイトより引用】