抗がん剤は時に予期しない方法で作用する
2019年9月11日(HealthDay News)- 臨床試験でテストされている10種類の抗がん剤は効果があるようですが開発者が思っていた方法で作用してはいないようだと研究者は言います。
「これらの薬剤の多くの考えは、癌細胞内の特定のタンパク質の機能を阻害することです。そして、私たちが示したのは、これらの薬剤のほとんどは、阻害すると報告されたそのタンパク質の機能を阻害しても機能しないことです。」
と研究の共同リーダーであるニューヨークにあるコールドスプリングハーバー研究所のジェイソン・シェルツァー博士は述べました。
Science Translational Medicine誌に9月11日に発表された研究の著者によると、約1,000人の患者でテストされている薬は、癌細胞を死滅させることができるようです。
この研究は、シェルツァー博士の研究室での、がん患者の低生存率に関連する遺伝子を特定する研究から生まれました。
研究者たちは、腫瘍に豊富に存在するメルク(MELK)と呼ばれるタンパク質が、癌の成長には何の役割も果たさないことを発見しました。
何十もの学術論文がMELKを癌細胞の生存に不可欠であると特定していたため、それは驚きでした。
しかし、シェルツァー博士のチームが遺伝子編集技術を使用してメルクの生産を止めた時にも、それは癌細胞に影響を与えませんでした。
結果を再確認した後、研究者は、結局、MELKは抗がん剤の理想的な標的ではなかったと結論付けました。
その当時、シェルツァー博士のチームは、これが疑わしい癌治療の標的は実際には医薬品開発に役立たないという一般的な問題である可能性が あることを他の研究者に警告しました。
それを証明するために、彼らはこの研究を始め予想通りに機能しない10種類の実験的抗がん剤を特定しました。
しかし、なぜ期待どおりに機能しないのかを知ることは、新薬や個別化された医薬品を開発するための努力に役立つ可能性があると研究チームは 説明しました。
「がん患者で検査される多くの薬は、悲しいことにがん患者を助けることにはなりません。」とシェルツァー博士は研究所のニュースリリースで 述べました。
しかし、薬物が臨床試験に入る前にこの種の証拠が日常的に収集されれば、患者に何らかの利益をもたらす可能性が最も高い治療薬を患者に適用できるかもしれません。
【以下のウェブサイトより引用】
Cancer Drugs Sometimes Work in Unexpected Ways: Study
Health Day