抗てんかん薬を服用中の母親が授乳しても、安全だ
新しい研究では、乳児に母乳を与えたいと考えるものの、抗てんかん薬(AED)を服用している女性に心強い結果が示されました。
研究者は、抗てんかん薬を服用している164人の授乳中の女性の血液サンプルを調べ、産後5~20週目の乳児および母体のAEDS濃度を分析しました。
母乳を飲む乳児に診られたAEDの半分近くにおいて、定量下限(LloQ)未満であり、母体の血中濃度よりもはるかに低くなりました。
「私たちは、大規模な子供の集団を体系的に調査したところ、全体的な濃度が母親よりも低いことが分かりました。そして多くの子供において、血中濃度が検出できない程に低いくなりました。」と、研究者のキムフォード・ミーダー氏は述べています。
彼はカリフォルニア州にあるスタンフォード大学医学部およびスタンフォード神経科学保険センターで神経学の教授を務めています。
「授乳による悪影響は無いことや、授乳にはうつ病やがん、糖尿病、感染等様々なリスクを軽減するという効果が知られていることを考慮すると、抗てんかん薬を服用しているとしても、希望する場合、そして可能な場合、私は母親が授乳を行うことを推奨します。」と、ミーダー氏は報告しています。
この研究は、12月30日、JAMA Neurologyオンライン版に掲載されました。
<過去の指導方法>
「長年にわたり、一部の医師はてんかん患者に対し、抗てんかん約が赤ちゃんに問題を引き起こす可能性があるという懸念にから、抗てんかん薬を服用している場合は母乳による授乳を行わないよう指導してきました。」と、ミーダー氏は述べています。
彼のチームは、AEDを服用する母親による授乳を受けた子供のコホート研究を実施し、子供が6歳になるまでの間追跡調査を行いました。
その後、母乳の授乳を受けなかった子供と比較しました。
「私たちは、6歳時点で、母乳の授乳を受けた子供のIQは、授乳を受けなかった子供のものよりもむしろ高いことを発見しました。」と、彼は述べています。
しかし、動物研究では、妊娠中に母親がAEDを服用すると、妊娠第三期の胎児のニューロンの発達に、胎児性アルコール症候群につながるアルコールの影響と類似した悪影響を及ぼす可能性が示唆されていま
また、「アポトーシスを引き起こす可能性のある薬の使用は、新生児にリスクをもたらす」可能性についても懸念がありました。
過去の研究では母乳中のAED濃度に焦点が当てられてきましたが、「赤ちゃんのAED濃度のサロゲートマーカーとして、母親と成長中の子供の血中濃度を調べ、子供の濃度を調査した研究は無かった」と、彼は述べています。
この問題を調査するため、研究者らは、MONEAD研究(The Maternal Outcomes and Neurodevelopmental Effects of Antiepileptic Drugs)を実施し、妊娠中および産後期間の、てんかんの母親とこどもの予後を調べました。
被験者は年齢は14~45歳の間であり、妊娠期間が20週間未満であり、IQスコアが70ポイントを超えていることが求められました。
被験者は妊娠中および産後9週間、追跡調査を受けました。
産後5~20週間の間、研究者は母乳の授乳を受けた乳児および母親の血液サンプルを採取しました。
351人のてんかんを持つ妊婦(中央値[範囲] 42 [8 – 4歳] 87.4%の白人)から産まれた乳児345人の半数以上が(64.3%)が母乳による授乳を受けました。
利用可能なデータの最終サンプルは、164人の乳児および母親の濃度ダイアドで構成されました。
内訳は、母親135人と乳児138人(双子3組含む)でした。(女児51.9%、中央値[範囲]13[5~20]週)
多剤併用よりも単剤療法による治療を受けた母親の方が多かったものの、多剤療法を受けた母親の母乳で育てられた乳児と、単座医療法を受けた母親の母乳で育てられた乳児の間に、血中濃度の差は見られませんでした。
<リスクの低下>
乳児の約半数(49.3%)においてAED濃度はLLいQ未満となりました。
また、カルバマゼピンやオキシカルバゼピン、バルプロ酸、トピラマートを服用する母親の子供の薬物濃度は、誰一人としてLloQを超えていませんでした。
母親がレベチラセタムやゾニサミドを服用していた子供のほどんどにおいても、血中濃度はLloQ未満となりました。
逆に、乳児(88.6%)のラモトリギンの濃度は、LloQよりも高くなりました。
出典 2020年1月3日更新 Medscape『Mothers on Antiepileptic Meds Can Safely Breast-feed』(2020年1月9日に利用)
https://www.medscape.com/viewarticle/923355
研究者は、抗てんかん薬を服用している164人の授乳中の女性の血液サンプルを調べ、産後5~20週目の乳児および母体のAEDS濃度を分析しました。
母乳を飲む乳児に診られたAEDの半分近くにおいて、定量下限(LloQ)未満であり、母体の血中濃度よりもはるかに低くなりました。
「私たちは、大規模な子供の集団を体系的に調査したところ、全体的な濃度が母親よりも低いことが分かりました。そして多くの子供において、血中濃度が検出できない程に低いくなりました。」と、研究者のキムフォード・ミーダー氏は述べています。
彼はカリフォルニア州にあるスタンフォード大学医学部およびスタンフォード神経科学保険センターで神経学の教授を務めています。
「授乳による悪影響は無いことや、授乳にはうつ病やがん、糖尿病、感染等様々なリスクを軽減するという効果が知られていることを考慮すると、抗てんかん薬を服用しているとしても、希望する場合、そして可能な場合、私は母親が授乳を行うことを推奨します。」と、ミーダー氏は報告しています。
この研究は、12月30日、JAMA Neurologyオンライン版に掲載されました。
<過去の指導方法>
「長年にわたり、一部の医師はてんかん患者に対し、抗てんかん約が赤ちゃんに問題を引き起こす可能性があるという懸念にから、抗てんかん薬を服用している場合は母乳による授乳を行わないよう指導してきました。」と、ミーダー氏は述べています。
彼のチームは、AEDを服用する母親による授乳を受けた子供のコホート研究を実施し、子供が6歳になるまでの間追跡調査を行いました。
その後、母乳の授乳を受けなかった子供と比較しました。
「私たちは、6歳時点で、母乳の授乳を受けた子供のIQは、授乳を受けなかった子供のものよりもむしろ高いことを発見しました。」と、彼は述べています。
しかし、動物研究では、妊娠中に母親がAEDを服用すると、妊娠第三期の胎児のニューロンの発達に、胎児性アルコール症候群につながるアルコールの影響と類似した悪影響を及ぼす可能性が示唆されていま
また、「アポトーシスを引き起こす可能性のある薬の使用は、新生児にリスクをもたらす」可能性についても懸念がありました。
過去の研究では母乳中のAED濃度に焦点が当てられてきましたが、「赤ちゃんのAED濃度のサロゲートマーカーとして、母親と成長中の子供の血中濃度を調べ、子供の濃度を調査した研究は無かった」と、彼は述べています。
この問題を調査するため、研究者らは、MONEAD研究(The Maternal Outcomes and Neurodevelopmental Effects of Antiepileptic Drugs)を実施し、妊娠中および産後期間の、てんかんの母親とこどもの予後を調べました。
被験者は年齢は14~45歳の間であり、妊娠期間が20週間未満であり、IQスコアが70ポイントを超えていることが求められました。
被験者は妊娠中および産後9週間、追跡調査を受けました。
産後5~20週間の間、研究者は母乳の授乳を受けた乳児および母親の血液サンプルを採取しました。
351人のてんかんを持つ妊婦(中央値[範囲] 42 [8 – 4歳] 87.4%の白人)から産まれた乳児345人の半数以上が(64.3%)が母乳による授乳を受けました。
利用可能なデータの最終サンプルは、164人の乳児および母親の濃度ダイアドで構成されました。
内訳は、母親135人と乳児138人(双子3組含む)でした。(女児51.9%、中央値[範囲]13[5~20]週)
多剤併用よりも単剤療法による治療を受けた母親の方が多かったものの、多剤療法を受けた母親の母乳で育てられた乳児と、単座医療法を受けた母親の母乳で育てられた乳児の間に、血中濃度の差は見られませんでした。
<リスクの低下>
乳児の約半数(49.3%)においてAED濃度はLLいQ未満となりました。
また、カルバマゼピンやオキシカルバゼピン、バルプロ酸、トピラマートを服用する母親の子供の薬物濃度は、誰一人としてLloQを超えていませんでした。
母親がレベチラセタムやゾニサミドを服用していた子供のほどんどにおいても、血中濃度はLloQ未満となりました。
逆に、乳児(88.6%)のラモトリギンの濃度は、LloQよりも高くなりました。
出典 2020年1月3日更新 Medscape『Mothers on Antiepileptic Meds Can Safely Breast-feed』(2020年1月9日に利用)
https://www.medscape.com/viewarticle/923355