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JapanRx / 抗体を用いた点眼薬がドライアイ疾患の治療に有望

抗体を用いた点眼薬がドライアイ疾患の治療に有望

シカゴのイリノイ大学(UIC)の研究者は、ヒト涙液中の『抗シトルリン化タンパク質自己抗体』、またはACPAと呼ばれる特定の種類の抗体の存在を初めて特定しました。

彼らはまた、ACPAを標的とするプールされたヒト抗体から作られた新しい点眼薬による治療に反応して、ドライアイ疾患の患者に病気の兆候や症状の軽減が見られたことを初めて実証しました。

この初期の臨床試験の結果は、The Ocular Surface誌に報告されています。

ドライアイ疾患は、涙液の異常によって引き起こされ、目の透明な外層、重度の場合は、目の痛みや光への過敏症を引き起こすことがある角膜上の乾燥したエリアです。

「自己免疫ドライアイによる目への負担は、たまに乾燥を感じるよりもはるかに大きい物です。」

と、本研究の主執筆者であり、UIC医学部の眼科および視覚科学の教授であるサンディープ・ジャイン博士は述べました。

「それは生活の質を障害の程度まで損ね、失明を招く可能性があります。」

以前の研究で、ジャイン博士と彼の同僚は、DNAの鎖が白血球の一種である好中球から押し出され、重度のドライアイ疾患の影響を受けた目の表面に網を形成し、炎症を引き起こすことを発見しています。

この新しい研究で、研究者たちはACPAを、ジャイン博士が「炎症の悪循環」と呼ぶこれらのウェブの発達にも寄与する目の炎症の別の原因として特定しました。

新しい点眼薬は、少なくとも部分的にこの悪循環から免疫システムを破壊することにより、ドライアイ疾患を治療します。

この点眼薬は、ACPAによる悪影響を打ち消すさまざまな種類の抗体を含む、数千人という人の献血から処理された免疫グロブリンから作られた、プールされた抗体を使用し調合されます。

フェーズI とIIの薬物試験では、抗体ベースでの点眼薬と抗体なしの点眼薬を比較しました。

「現在、ドライアイの治療に承認されている薬剤は2つだけであり、すべての人に効果があるわけではなく、特に重度の場合は効果があまりありません。

そのため、異なるメカニズム、この場合は自己免疫を標的として治療をおこなう新しい点眼薬となるため非常に重要です。」とジャイン博士は述べました。

 

重度のドライアイ疾患を有する27人の参加者が試験に参加しました。

参加者は無作為に2つのグループに分けられました。

 1つ目のグループには、プールされた抗体から作られた点眼薬が投与され8週間の期間、1日2回、各目に1滴ずつさすように指示されました。

対照群には、抗体なしの点眼薬を同じ指示で与えられました。

研究者は、アンケートを通じて患者の症状を評価し、研究の前と期間中に角膜損傷の程度と眼の表面の炎症誘発性バイオマーカーの量を測定しました。

彼らは、抗体ベースの点眼薬を使用している人々に、対照群と比較して8週間で統計的に有意で臨床的に意味のある、角膜損傷の減少が見られたことを発見しました。

症状に関連するアンケートスコアは、抗体を含まない点眼薬と比較した場合、新しい抗体ベースの点眼薬を使用している患者の間での有意な改善も反映していました。

テストグループでは、炎症誘発性バイオマーカーの量(乾燥したエリア)も目の表面では減少しました。

「抗体をプールした点眼薬を使用した試験の参加者は、眼の不快感が少なく、角膜が健康であると報告しました。」

とジャイン博士は述べました。

この初期の臨床試験のデータは、プールされた抗体を含む点眼薬がドライアイ疾患の治療に安全かつ有効である可能性を示唆しています。

 

【以下のウェブサイトより引用】

Antibody-based eye drops show promise for treating dry eye disease

Medical Xpress