抗炎症薬の注射は、痛風に対して有効である可能性
2018年9月18日火曜日 - 痛風発作を予防する新しい治療法は、既存の治療法では上手く治療できていない人にとっては有望です。
研究者らは、この痛みを伴う関節炎を治療するために、カナキヌマブ(イラリス)と呼ばれる抗炎症薬を検討しています。
既存の痛風治療薬のように過度に高くなった尿酸値を標的とする代わりに、新しい戦略では全体の炎症を軽減することを目指しています。
この薬剤は、インターロイキン-1Bと呼ばれる特異的な炎症分子を追いかけます。
その結果、痛風発作のリスクが50%低下することを研究者らは見出しました。
「これは非常に大きな効果でした。」と、ボストンのブリガム・アンド・ウィメンあズ病院のリウマチ専門医であるダニエル・ソロモン博士は述べました。
彼は、患者が正常な尿酸値または、非常に高いレベルを有するかどうかにかかわらず、この薬物が同等に保護作用があるというのは「非常に驚くべきこと」であることを認めました。
しかし、イラリスは常備予防薬となる可能性は低いとソロモン博士は語っています。
1つは、米国ではまだ痛風治療の承認を受けていないこと。
ほとんどの患者は、アロプリノールなどの尿酸を低下させる標準的な治療法を用いており、その治療法は既にリスクが少ないとされています。
さらに、何十年も前から市場に出ているアロプリノールは、安価で毎日服用できる錠剤です。
「カナキヌマブは非常に高価なのです。現在までの主な役割は、珍しい、いわゆる「孤立した」病気の最後の治療薬なのです。現在の価格では、痛風のほとんどの患者のために使用できる選択肢ではありません。」と、ソロモン博士は述べています。
また、使い方としては3ヶ月ごとに介護者が注射する必要があります。
それでも、ソロモン博士は、イラリスは標準的な投薬に応答しないか、または許容しない患者に対しては、臨床的役割を果たす可能性があると述べました。
以前の研究では、インターロイキン-1B阻害剤は痛風の発作を短くする可能性があることが示されていますが、予防できるかどうかは分かっていませんでした。
この新しい研究は、イラリスの製造元であるノルバティス社によって資金提供されました。
痛風は炎症性関節炎の最も一般的な形態です。
尿酸と呼ばれる化学物質が体内に蓄積すると、最も頻繁に足、特につま先に重度の関節の炎症を引き起こす小さなギザギザのある結晶が形成されます。
痛風の罹患率は、ここ数十年でかなり増加しています。
心疾患と痛風はしばしば重なると研究者らは指摘します。
イラリスが予防措置としての可能性を有するかどうかを調査するために、研究者らは、いわゆるカナキヌマブ抗炎症性血栓症のアウトカム研究(CANTOS)の二次分析を行いました。
これにより、1万人以上の心臓発作患者が、イラリスが高リスクの患者での将来的な心血管合併症の軽減に役立つかどうかを知ることができました。
研究者らは、尿酸レベルに関係なく、プラセボ治療を受けた患者と比較して、イラリスの4回の注射で治療された患者が痛風発作のリスクの半分にすることを発見しました。
ソロモン博士は、「われわれは、『イラリス』が心臓病のない患者にはあまり効果がないと信じる強い理由はありません。」と述べました。
カリフォルニア州ヴァレーオにあるトーロ大学のリウマチ学教授であるハワード・ファインバーグ博士はこれに同意しました。
「現在および過去の研究に基づいて、この薬剤は心臓病の病歴のない患者を含め、ほとんどの患者に有効であると推測できます。」と述べています。
ファインバーグ博士は、高価な注射剤を投与する必要があるため、既存薬を常に服用している人には、その使用を推奨しないと述べました。
「最も恩恵を受ける患者のタイプは、アレルギーがあるなどの理由かまたは標準的な治療法を行うことができなかった人です。」と、ファインバーグ博士は述べ、腎臓病の患者に言及しました。
「この治療法は、アロプリノールや他のより古い治療薬で痛風をコントロールできない人にとっても理想的です。」
【以下のウェブサイトより引用】