敗血症でのより良い生存率にビタミンC療法が関係
アメリカ・バージニア・コモンウェルス大学が主導し、医学雑誌「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(Journal of the American Medical Association」」の10月号に発表された新しい研究によると、敗血症や敗血症性肺損傷の患者は、ビタミンC注入による治療で生存率が 高くなり、より早く回復する可能性があることを示唆しています。
国立総合医療科学研究所によると、感染に反応した体全体の炎症である敗血症は、米国の病院においては主要な死因であり、毎年最大300,000人の死亡が報告されています。
研究者は、28日目に、静脈内ビタミンC注入療法が敗血症患者の死亡率をプラセボ群の46%からビタミンC群で30%に減らすことを発見しました。
「この治療法は、敗血症患者のケア方法を変える可能性があり、新たな救命治療法が発見された可能性があります。」
と、バージニア・コモンウェルス大学医学部内科の肺疾患および救命救急医学の教授であり、この研究の筆頭著者であるアルファA.ファウラー博士は述べました。
「さらなる調査が必要ですが、予備調査の結果は心強いものです。」
死に至る危険のある敗血症の一般的な合併症である、臓器不全に対するビタミンCの効果を研究するために行われた『CITRIS-ALI試験』は、ビタミンCの静脈内投与を受けた患者が集中治療室と病院内で過ごす日数が著しく少ないことを示しました。
「私たちはビタミンCが敗血症の現在の標準治療よりも臓器不全に対してより効果的な治療法であるかどうかを調査するために、第二相概念実証試験を実施しました。」
と、ファウラー博士は述べました。
「この特定の試験では、ビタミンCが敗血症に関連した臓器不全を改善するという証拠は見つかりませんでしたが、患者の入院期間を大幅に 短縮しました。」
28日目までの調査では平均して、ビタミンCが投与されたグループは、プラセボグループよりも集中治療室(ICU)で過ごした日数が3日少なく (プラセボ群の10日に対してビタミンC群:7日)、60日目まででは、病院全体での入院期間が1週間短縮されました(ビタミンC群:15日と プラセボ群:22日)。
敗血症は、米国および世界中で障害や死亡を引き起こす主な原因であり、この疾患には医療費も多く費やされています。
米国医療研究機関によると、敗血症患者は2013年だけで米国の病院費用で237億ドルを占めています。
「ICUでの敗血症患者のケアには、毎日数万ドルの費用がかかります。」
とファウラー博士は述べています。
「敗血症の臨床結果を改善することは、米国の医療業界にとっては大幅なコストの削減を意味します。」
320万ドルの国立衛生研究所の助成金は、クリーブランドクリニック、ウィスコンシン医科大学、ケンタッキー大学、エモリー大学などを含む7つの 登録施設で167人の患者が参加した臨床試験に提供されました。
これは、ビタミンCに関連する最初の無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験であり、敗血症および世界中の敗血症に関連することが多い 肺疾患である、急性呼吸窮迫症候群に対する潜在的な影響について示しました。
この研究は、2014年9月から2017年11月まで実施されました。
「この国で毎年敗血症で死亡する人がどれくらいいるのか、毎日、満員のボーイング747が2機墜落することを想像してみてください。」 とファウラー博士は述べました。
「CITRIS-ALI試験は、より大規模でより決定的な試験の基礎となる可能性があります。」
【以下のウェブサイトより引用】
New study links vitamin C therapy to better survival rates after sepsis
Medical Xpress