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斬新な薬物送達システムが第II相試験で良好な効果

FDAの第II相試験では、新しい涙点プラグ薬物送達システム(PPDS)は、白内障手術に伴う痛みと炎症の軽減に効果的でかつ安全であることが判明しました。

プラセボによる治療対照群と比較して、ネパフェナクPPDSを投与された患者は、有害事象が少なく、視力への効果も優れていたとエリック・D・ドネンフェルド博士は述べました。

「白内障手術後の炎症は一般的ですが治療せずに放置すると深刻な合併症を引き起こす可能性があります。 ESCRS(欧州白内障屈折矯正外科学会議)での前向きPREMED研究の結果は、CME(嚢胞様黄斑浮腫)のリスクを減らすために、NSAIDがコルチコステロイドよりも重要であることを示しました。」

とアメリカ・ニューヨーク州ガーデンシティにあるロングアイランド眼科コンサルタント(Ophthalmic Consultants of Long Island)の創始者で、ニューヨーク大学眼科臨床医学の教授であるドネンフェルド博士は述べました。

「ネパフェナクPPDSは、高齢患者集団での医療管理を簡素化し、局所薬の使用に関連する問題を解決します。」

 「第II相試験では、白内障手術後の痛みと炎症を軽減するという前例のない有効性を実証しました。第三相試験で結果が確認されれば、ネパフェナクPPDSは白内障手術後のNSAID局所点眼薬から置き換えることができます。」

局所薬による現在の治療には多くの制限がります。有効性は、薬物のバイオアベイラビリティと指示通りに使用されるかどうかといったコンプライアンスに依存します。

従来の局所薬物療法は、標的部位で薬物の安定した治療濃度レベルを維持できず、患者のコンプライアンスが悪い場合があります。

一部の患者は、薬を入手する余裕がなく処方箋を得ることすらできないかもしれず、眼科薬を入手するのに苦労するかもしれません。

高齢の人は手先の器用さに影響を与える関節炎や神経学的な疾患を患っている可能性が高いため、点眼薬の使用の難しさは白内障手術を受けた集団で特に問題になる可能性があります。

高齢者によく見られるのは眼表面疾患を引き起こす、または悪化させる可能性のある防腐剤が含まれているため安全性にも問題があります。

持続的な薬物送達のために独自の涙点プラグプラットフォーム、Evoluteを使用してMati Therapeutics社が開発中のネパフェナック PPDSは、上記の問題に対処できます。

 

「PPDSは挿入と取り出しが簡単で、挿入されると見えなくなります。 PPDSは優れた保持力を示しましたが、涙点内でのその存在は下瞼を裏返すことで確認するのが簡単です。」

と、第二相ネパフェナクPPDS研究の主任研究者であるドネンフェルド博士は述べています。

フェーズII臨床試験は、白内障手術を受けた患者を2:1に無作為化してネパフェナクPPDSまたはプラセボを保持するプラグを投与する二重盲検試験でした。

プラグは、手術の1〜2日前に手術を行う予定である眼の下涙点に挿入され、患者は術後1日、3日、7日、14日目に追跡調査が行われました。

疼痛が主要な結果測定として評価され、前房細胞とチンダル現象に基づくフレアは二次的な結果測定として分析されました。

痛みは、6点スケールで評価されました(0 =なし、5 =耐えられない)。

前房細胞とフレアは、それぞれ5段階で評価されました(0 =なし、4 =重度)。

この研究には56人の患者が参加しました。

ネパフェナクとプラセボの研究グループは人口統計学的な特徴、白内障の重度、切開サイズ、皮質除去の容易さにおいて、ベースラインでは類似していたとドネンフェルド博士は述べました。

この研究は主要エンドポイントを満たしました。

手術後3日目に、痛みがないと報告した患者の割合は、プラセボと比較してネパフェナクPPDSで有意に大きいものでした(70%対38%; P = .0032)。

ネパフェナクPPDS群と対照群を比較した統計的に有意な差は、術後追跡期間全体で痛みのない患者の割合の分析においても達成されました(42%対0% ; P <.001)。

ネパフェナックPPDS群の疼痛および炎症制御の改善の結果に相対するように、術後14日目に非常に重要であったのが、ネパフェナックPPDSで治療された患者の未矯正視力は対照と比較して有意に優れていたこと20/32対20/50; P = .015)、そしてネパフェナクPPDSで治療された患者のかなり大きな割合が20/20以上と最良の視力矯正を達成できたことです(65%対29%; P = .021)。

「コルチコステロイドとNSAIDSを用いた十数件の局所抗炎症試験を行ったことがありますが、これらは私が今まで見た中で最高の結果です。」とドネンフェルド博士は述べました。

涙点プラグの保持率は優れており(98%)、試験中にプラグが外れたのは1本だけでした。

有害事象の発生率は、ネパフェナクPPDS投与群よりも対照群で高くなりました(29%対19%)。

涙点プラグに関連する重大な有害事象または予期しない有害事象はありませんでした。

「ネパフェナクPPDSを調査する第III相FDA試験が近い将来に計画されています。」

「PPDSは、コルチコステロイドや緑内障やドライアイの治療薬など、他の医薬品の送達システムとしても開発されています。」

 

【以下のウェブサイトより引用】

Novel delivery system shows positive performance in phase II trial

Ophthalmology Times