新しいパーキンソン病治療薬が運動困難を改善する可能性

新しい研究では、パーキンソン病患者は、標準的な治療薬であるレボドパとともにオピカポンと呼ばれる実験段階の薬物を摂取することにより、より良好な運動能力のコントロールができるようになることが示唆されています。

数百人のパーキンソン病患者での研究では、この薬物オピカポンが、レボドパのパーキンソン病に関連する運動障害を抑制する能力を高めることが分かったと、研究の共同執筆者である、パトリシオ・ソアレス=ダ・シルヴァ博士は述べました。

パーキンソン病の運動障害には、振戦、硬直、および運動の鈍化などがあります。
オピカポンにより現在の治療選択肢よりも、症状は改善されるようだとソアレス=ダ・シルヴァ博士は述べています。
彼は、製薬会社、Bial-Portela＆Caの研究開発責任者です。

進行性の神経変性疾患であるパー​​キンソン病の治療法は未だ知られていません。
また、パーキンソン病の治療法を見つけるために設立されたマイケル・J・フォックス財団によれば、病気の進行を効果的に遅くしたり止めたりする治療もありません。

しかし、レボドパのような特定の薬物療法は、運動の問題をコントロールするのに役立ちます。
震えやその他の運動障害は、化学物質または神経伝達物質であるドーパミンが不足しているために起こります。
レボドパ（シネメット）は中枢神経系の薬物です。体内で脳がそれをドーパミンに変換します。

ナショナル・パーキンソン病院財団によると、レボドパは錠剤であり、パーキンソン病の管理のための最も重要な第一選択薬です。

しかし、レボドパは服用が難しく、重度の吐き気を引き起こす可能性があるので、カルビドパなどの薬と一緒に服用しなければなりません。
カルビドーパ（ロドシン）は悪心を予防し、レボドパの効力を増強します。

また、パーキンソン病の進行に伴い、長期のレボドパ患者は頻繁に不随意運動を特徴とするジスキネジーとして知られる磨耗効果を経験することが多いのです。

COMT阻害剤として知られている2つの薬剤がこの効果に対抗するために使用されますが、どちらも重大な欠点があります。
一方は肝不全の危険性を高め、他方はレボドパの有効性を適度に高めるだけで、患者にはこの治療薬の信頼性が不安定であると研究者らは述べています。

この新たな研究は、可能な新しい選択肢であるオピカポンを探索するために始まりました。これもまたCOMT阻害剤です。

この研究のために、研究者らは、12カ国の71軒の医療施設から427人のパーキンソン病患者（平均63歳）を募集しました。

全員が少なくとも3年前にはパーキンソン病の診断を受け、すでにレボドパの有効性が低下していました。

2011年から2013年の間に、全患者が3〜4ヶ月の初期試験を行いました。
患者は、1日に1回、25mg、または、50mgのオピカポン、または毎日のプラセボ（ダミー）錠剤が投与されました。
これに続いて、全員がレボドパと共に低用量または高用量のオピカポンが継続して1年間の処方されました。

JAMA神経学で12月27日に発表された研究によると、最終的に、286人の患者が研究を完了しました。脱落した人の多くは、その理由に副作用を挙げました。最も一般的な副作用は、運動障害（ジスキネジー）、便秘、および口渇でした。

研究チームは、両方の調査段階の終盤に、高用量のオピカポンを服用している人々に、レボドパが機能しなくなった時間が「有意に減少した」ことを発見しました。
これは「オフタイム」として特徴付けられました。
この効果は低用量では見られなかったものです。

ソアレス=ダ・シルヴァ博士は、より高用量のオピカポンもまた、レボドパがうまく機能する時間を増やし、薬物が不随意運動を衰弱させることなく「オン」になった時間を意味すると付け加えました。

この薬物は欧州委員会の承認を受けていますが製薬会社はまだ米国で承認申請を行っていません。
付随する雑誌の編集者らは、オピカポンは以前の治療法の選択肢をはっきりと改善しているとしています。

ヒューストンのテキサス大学医学部のアリソン・ボイル博士は、「この研究は、オピカポンが安全で耐容性があり、投与が容易であることを発見したものです。」と述べています。

編集者たちは、「1日1回のオピカポンの療法は、患者や臨床医にとってより簡単で実用的な治療法となる可能性があります。」と結論づけました。

（記事元）https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/parkinson-s-new-526/new-parkinson-s-drug-may-combat-movement-difficulties-718345.html