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新しい研究は膝の痛みの治療での幹細胞療法の優位性に疑問を投げかける

関節へ広範な損傷を与え人々を衰弱させる痛みを特徴とする変形性関節症(OA)には、世界中で何百万人もの人々が患っており、長年にわたって臨床的、経済的に大きな負担となってきました。

診断、投薬、および短期的な疼痛管理方法が進歩したにも関わらず、疾患修飾性OA薬というとらえどころのない目標には依然として手が届きません。

しかし近年、幹細胞療法が使用されるようになり、それは、手術に代わる有望な代替手段として、また、患者の生活の質を向上させるための手段として注目を集めています。

現在、エモリー大学の研究者チームは、全米の他の採用サイトと協力して、慢性膝痛の最も一般的な原因のひとつである膝のOAでの革新的な治療選択肢として、間葉系幹細胞の可能性を探求しています。

このタイプの治療は、患者自身の細胞が持つ損傷した組織を修復する能力を利用することを目的としています。

しかし、特に膝のOA 治療のテッパンであるコルチコステロイド注射 (CSI) と比較すると、適切に設計されたランダム化比較試験から得られる確実なデータは限られています。

Nature Medicine誌に発表されたばかりのこの研究の最初の結果は、膝OAに対する最も効果的な細胞注射源を特定するための、この種では初めてのランダム化臨床試験について説明しています。

研究チームは、自家骨髄吸引液濃縮物(BMAC)、自家間質血管画分(SVF)、同種異系ヒト臍帯組織MSC(UCT)を含む3種類の細胞調製物をCSIと比較しました。

主要評価項目は、ベースラインから 1 年までの痛みに関するビジュアルアナログスケール (VAS) および膝損傷および変形性関節症アウトカムスコア(KOOS) でした。

この研究を推進した疑問は、1年後の変形性膝関節症の治療において、細胞療法がコルチコステロイドよりも優れた効果を発揮できるかどうかということでした。

調査結果では、各グループの痛みと機能に測定可能な改善がみられたことが示された一方で、ベースラインからのVAS疼痛スコアの変化に関しての12か月の追跡調査では、テッパンの抗炎症性コルチコステロイド治療と比較して、試験を行った細胞製品のいずれを使用することにも有意な利点はありませんでした。

同様に、KOOS 疼痛スコアの分析では一貫した結果が得られ、ベースラインからのスコアの変化において 12 か月時点でのグループ間に有意差はありませんでした。

「この研究では、1年間にわたる痛みの強さの軽減において、どの細胞療法もコルチコステロイドよりも優れていることは証明されませんでした。」

と、エモリー整形外科・脊椎センターの所長で、この研究の上級著者であるスコット・D・ボーデン医学博士は述べました。

「幹細胞の再生能力については研究の熱意が高まっていますが、この研究結果は変形性膝関節症に対するさまざまな注射の比較有効性に疑問を投げかけており、各患者の固有のニーズに適した治療法を選択する際には個々のニーズにあわせることの重要性を強調しています。」

この研究の広範な範囲は、軽度の関節の不快感や腫れから無関係な入院に至るまで、あらゆる副作用を測定するこれらの治療での安全性についての評価にも及んでいます。

重要なのは、この研究では、追跡調査中のどの時点においても、どの治療群においても研究に関連した重篤な副作用や症候性の膝感染症は認められなかったということです。

ボーデン博士によると、現在進行中のデータ分析から得られた将来の論文によって、患者の特定のサブグループでは、これらの治療法のうちのひとつから他の治療法よりも優先的に利益を得られるのかどうかが判明するでしょう。

この研究結果は、特定のOA治療選択の比較有効性に関する重要な疑問に答える上では、重要な前進をもたらしました。

しかし、MRIを使用したより詳細な分析と各注入物の細胞分析は、標準治療での情報を提供する上で今後も役に立つでしょう。



【以下のリンクより引用】

New study calls into question the superiority of stem cell therapy for treating knee pain

Medical Xpress

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