新しい血圧範囲指標は、アメリカ人の半数が高血圧であることを示唆
2017年11月13日(ロイター)
米国の心臓組織の血圧に関する指針が厳しくなったことで、心血管の問題を避けるために、何百万人もの人がライフスタイルを変えたり、投薬を開始する必要があります。
米国心臓協会(American
Heart Association)と米国心臓病学会(American
College of Cardiology)が発表した新しいガイドラインによれば、前回までの指標となっていた140/90から更に下がり130/80以上の血圧を持つアメリカ人は治療を受けるべきであるとしています。
新たな指標では、米国の成人の約46%、すなわち1億300万人以上が高血圧であると考えられますが、これは2003年以前のガイドラインでの推定7200万人と比較されています。
高血圧は心臓病と脳卒中の死亡原因では2番目に多く米国ではまた喫煙についで予防可能な疾患の第2位となっています。
このガイドラインは、正常血圧の定義を120/80以下に変更するものではありません。
潜在的に致命的な高血圧は、比較的安価なジェネリック医薬品として販売されている幅広い種類の医薬品でコントロールすることができます。
薬物クラスには、ノルバティスファーマのディオバンなどのアンギオテンシン受容体遮断薬、ファイザー製薬のノルバスクなどのカルシウムチャネル遮断薬、同じくファイザー製薬のアルテースを含むACE阻害薬、メルク・アンド・カンパニーのハイザールなどの利尿薬があります。
しかし、これらの薬には副作用があり、新しいガイドラインでは、高血圧を治療するための初動段階での方法として、減量、食事、運動などのライフスタイルの変化を強調しています。
ACCの心臓血管疾患予防委員会の議長であるパメラ・モリス博士は、「これにより、どの患者も推奨に従い、医師も生活習慣の変更をより厳しく指導するようになるだろう。」と述べました。
生活習慣の変更は基礎治療ですが、ガイドラインはまた、心血管疾患のリスクが高いと評価された患者は投薬を開始することを強調しています。
50歳以上の高齢の高血圧患者を対象とした大規模な研究では、収縮期血圧を140未満を目標とした患者が120未満に低下した時の心臓関連を原因とする死亡率が43%、また心不全率が38%低下しました。
しかし、収縮期血圧が120のグループの患者は、腎障害または腎不全の罹患や失神率もまた高い割合でした。
これらの副作用や臨床試験での詳細なモニタリングが難しいという事実が懸念されているため、AHA、ACCおよび他のグループは130の収縮期血圧目標を選択しました。
新ガイドラインはまた、正確な血圧測定の重要性を強調しており、時々刻々の異なる測定値を使用しています。
「血圧130/80の成人は、すでに正常範囲内の人と比較して、心臓発作のリスクが2倍になっています。」
とこのガイドラインを主導するテュレーン大学の公衆衛生熱帯医学科の教授であるポール・ウェルトン博士は述べています。
「それは投薬をする必要があるということではありませんが、薬の使用に頼らずに他の治療法で血圧を下げる必要があるというのは既に黄色信号なのです。」
【以下のウェブサイトより引用】