新型コロナウイルスによる味覚と嗅覚の喪失は時間の経過とともに回復することが判明
新型コロナウイルス感染症による嗅覚・味覚喪失の長期的な影響:3年間の追跡調査結果
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嗅覚・味覚喪失は徐々に回復する
イタリアのトリエステ大学主導の研究によると、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に関連した嗅覚と味覚の喪失は、徐々に回復することが明らかになりました。
2020年3月と4月に軽症のCOVID-19患者88人を対象とした3年間の追跡調査では、以下の結果が得られました。
嗅覚・味覚機能障害は3年間で減少した
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- 初期:64.8%
- 1年後:31.8%
- 2年後:20.5%
- 3年後:15.9%
味覚は嗅覚よりも回復が早かった
- 嗅覚検査では、3年後も13.6%の患者に機能障害が見られました。
- 味覚検査では、3年後も11.4%の患者に機能障害が見られました。
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嗅覚・味覚喪失は早期診断の指標として有用
味覚と嗅覚の喪失は、初期のSARS-CoV-2感染の一般的な症状であり、検査が広く利用可能になる前は、早期診断の指標として考えられていました。
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嗅覚・味覚喪失は日常生活に大きな影響を与える
嗅覚と味覚の喪失は、食事を楽しむ能力の低下だけでなく、危険を察知する能力の低下にもつながります。
- 嗅覚を失うと、ガス漏れや火災に気づかない可能性があります。
- オミクロン株では嗅覚・味覚への影響は軽微ですが、過去の亜種では多くの患者がこれらの症状を経験しました。
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回復には時間がかかるが、希望はある
過去の記録がない新しい感染症であるため、COVID-19による嗅覚・味覚喪失の長期的な影響は不明でした。
今回の研究により、これらの症状は永続的なものではなく、時間をかけて回復することが示唆されました。
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今後の課題
嗅覚・味覚喪失の完全な回復には時間がかかるため、患者へのサポートが必要です。
- 嗅覚・味覚訓練
- 心理的なサポート
- 生活への適応支援
これらの課題に取り組むことで、患者のQOL (生活の質) 向上が期待できます。
結論
新型コロナウイルス感染症による嗅覚・味覚喪失は、徐々に回復することが期待できます。
完全な回復には時間がかかるため、患者へのサポートが必要となります。
【以下のリンクより引用】
COVID-related loss of taste and smell reversible over time, finds study
Medical Xpress
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