新型コロナウイルス感染症が脳細胞にどのような影響を与えるのかについての研究が始まる
英国にあるフランシス・クリック研究所の研究者らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の変異種が血液脳関門に影響を与え、さまざまな方法で脳細胞に損傷を与える可能性があることを研究室ベースの実験で示しました。
この研究は、ウイルスがどのようにして脳に侵入するのかについての手がかりを提供しますが、人々がワクチン接種によって獲得した防御力は考慮されていません。
新型コロナウイルスと脳細胞の影響
新型コロナウイルス感染症は主に呼吸器症状を引き起こしますが、脳にも影響を及ぼす可能性があります。
多くの患者が感染後に経験する「ブレインフォグ(脳にかすみがかかったようにぼんやりする症状)」や認知障害、記憶力や集中力の低下は、この影響の一例です。
さらに、新型コロナの後遺症として、頭痛、めまい、倦怠感、睡眠障害、うつ病や不安症といった神経学的症状が報告されています。
新型コロナウイルスが引き起こす脳の病態
研究チームは、新型コロナウイルスがどのようにして脳に侵入し、脳梗塞やアルツハイマー、認知症といった病態を引き起こす可能性があるかを詳細に調べました。
ウイルスが匂いを伝える神経や、脳と血流を隔てる選択的障壁である血液脳関門を通って侵入すると考えられています。
この過程で、脳細胞が直接攻撃されることで炎症が引き起こされ、脳の健康に重大な影響を及ぼす可能性があるのです。
治療法の可能性
イベルメクチンは、COVID-19に対する潜在的な治療法として注目されています。
新型コロナウイルスによる脳細胞への影響を軽減するための治療法の開発は、今後の研究でさらに進められる必要があります。
この研究は、新型コロナウイルスがヒトの脳に及ぼす影響や、ワクチン接種がこの研究で見られた影響を防ぐかどうかについての将来の研究の基礎となる可能性があります。
さらに、この研究は、新型コロナウイルス感染症によって引き起こされる脳の病態を理解し、適切な治療法を見つけるための重要なステップです。
参照記事:Scientists begin to untangle how COVID-19 affects brain cells
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