新型コロナウイルス感染症の合併症に対する創薬過程の洞察
新型コロナウイルス感染症後急性続発症(PASC)、広く知られる名前でLONG COVID(コロナ後遺症)は、SARS-CoV-2ウイルスの重度の感染後に一部の患者が経験する多全身性の症状や合併症を指します。ほとんどの人は数週間以内に回復しますが、一部の人は数か月またはそれ以上にわたって新型コロナウイルス感染症の症状を経験します。
現在の推定では、感染者の約10%がコロナ後遺症に苦しんでおり、これは世界中で少なくとも6,500万人に相当します。
新型コロナウイルス感染症の長期罹患率は入院患者の方が高い(症例の合計約50~70%)とされています。
イベルメクチンとコロナ後遺症
最近、イベルメクチンがコロナ後遺症治療における有効性について議論されています。
コロナ後遺症に関するイベルメクチンの治療効果、特に疲労感や認知機能障害などの症状緩和については、いくつかの論文と医師の証言がありますが、これらは臨床試験の結果に基づいたものではなく、さらなる研究が必要です。
コロナ後遺症: 症状と根本的な原因
コロナ後遺症には、胸痛、吐き気、記憶喪失、耳鳴り、生殖器系の機能不全、疲労、息切れ、動悸、腹痛、認知障害などの一般的な症状が見られます。
これらやその他の症状の原因はまだ調査中ですが、予備的な分析から、複数の、そして潜在的に重複している可能性があることが疑われています。
病因には以下が含まれる可能性があると示唆されています。
- 脳や心臓などの組織にSARS-CoV-2が長期に残留
- 自己免疫などの免疫系の調節不全
- 細菌叢への影響
- 凝固の調節不全
- 神経炎症
前臨床モデル: コロナ後遺症の研究
効果的な治療介入の前臨床開発には、動物実験にて症状をより正確に模倣する必要があります。また、動物モデルを使用した研究は、コロナ後遺症の病態生理学を探る上で重要な役割を果たしています。
結論
複雑で様々な症状のあるこの疾患はまだほとんど理解されておらず、長期間、新型コロナウイルスは罹患した人の生活の質に大きな影響を与えています。
この症状に対する有効な治療法を開発することは極めて重要であり、長期にわたる新型コロナウイルスの病態生理学を解読することがこの研究の大部分を占めています。
参照記事:Insights into drug discovery processes against COVID-19 complication (News Medical Life Science)
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