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日光のビタミンでCOVID-19感染を減らすことはできる?

人が太陽の下で日光浴をするのは通常、気分が良いから、もしくは肌艶が良くなることが理由です。
しかし、太陽が当たることで、非常に必要なビタミンを補うこともできます。
ビタミンDは骨の強化剤です。
くる病のような病気を防ぎ、カルシウムが骨を強く保つのを助けます。
ビタミンDは、骨粗しょう症、脆弱骨を発症するリスクを減らします。
そして今、研究者たちは、ビタミンDによってCOVID-19に感染するリスクを減らせるかもしれないと考えています。

最近の2つの研究では、ビタミンDレベルが正常以下の人は、推奨レベルの人よりも、COVID-19にかかる頻度が高いことがわかりました。
最初の研究(5月にIrish Medical Journalに掲載)では、ヨーロッパの高齢患者の記録に関する文献を検索し、ビタミンDレベルとコロナウイルス感染との関連を調べました。

研究者たちは、イタリアやスペインのような日当たりの良い国の人々のビタミンDレベルは、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンのようなより北の国の人々よりも高いと予想していました。
しかし、調査によって、真実はこれと真逆であることがわかりました。
食べ物にビタミンDが添加され、サプリメントがより一般的である北国の人々は、血中のビタミンのレベルが高かったのです。
また、COVID-19の感染率および死亡率も、最も低くなっていました。
ただし著者らは、各国のビタミンDレベル測定方法や、他国よりも感染率が高い原因としてその他の要因がある可能性など、未調査の問題がたくさんあるということも記述しています。

8月にJAMA Network Openで公開された別の記事は、約500人の患者を対象とした米国の研究に基づいています。
研究者らは、COVID-19の検査を受けてから1年以内にビタミンDの血中濃度が測定された患者を調べました。
結果は、ビタミンD欠乏症の患者は、正常レベルの患者よりもCOVID-19に罹患する可能性がほぼ2倍高いことを示していました。

米国を拠点とする研究者たちは、ビタミンDの欠乏には、慢性的な健康問題や、ビタミンの摂取を制限するライフスタイル要因など、多くの理由があることを指摘しています。
これらの要因もウイルス感染に影響する可能性があります。
研究者らはこの問題を調査するために、さらなる研究を行うことを奨励しています。

しかし、これらの研究はどちらも、グラスゴー大学の研究者が発見した内容に反しています。
糖尿病とメタボリックシンドローム誌の7月/ 8月号で発表された彼らの研究では、COVID-19の陽性反応があり、2006年から2010年の間にビタミンDレベルの検査を受けた、イギリスの約1,500人が調べられました。
結果、個々人のビタミン摂取状態に関して、何の関連性も見つかりませんでした。

したがって、現時点では、ビタミンDがCOVID-19感染に何らかの役割を果たしているかどうかについての明確な答えはありません。


<ビタミンDへの暴露または消費を増やすべき?>

ビタミンDは健康維持にとって重要な要素であるため、医師に血液検査を依頼して、血液中のビタミンの量を測定することは悪くありません。
その後、ビタミンDが不足していることが分かった場合は、結果に応じて食事やライフスタイルを調整することができます。

ほとんどの健康な人は、太陽から十分なビタミンDを摂取できます。
通常、週に3回、1回ごとに15〜20分間日光を浴びるだけで十分です。
ただし、ビタミンの吸収効率は、次のような要因によって異なります。

・肌の色:肌の色が濃い人がビタミンを十分に吸収するためには、より長い時間日光にさらされる必要があります。

・移住地:北に行くほど、体にビタミンDを作らせる紫外線のレベルが低くなります。

 ・時期:北にいるほど、太陽にさらされることで得られる紫外線量は、季節の影響も大きくなります。

 ・時刻:日光は、午前10時から午後2~3時の間に最も強力になります。

 ・天候:曇りの日は紫外線量が減ることがあります。

 ・大気汚染:大気汚染も、紫外線への適切な曝露を妨げる可能性があります。


皮膚を太陽にさらすと、皮膚がんにつながり得る皮膚の損傷などの、その他の問題が発生する可能性があります。
そのため、日光への露出量が心配な場合は、医師に相談してください。

日光を十分に浴びることができない場合は、特定の食品やサプリメントを通じてビタミンDを摂取することができます。
ビタミンDを含む食品は次のとおりです。

  •     ビタミンDが添加された乳製品やジュース
  •     サーモン、マグロ、サバなどの脂肪分の多い魚
  •     牛レバー
  •     チーズ
  •     卵黄

サプリメントを服用する場合は、十分なビタミンDを摂取できるよう、製品ラベルを確認してください。
以下は年齢ごとの推奨量です。

  •     生後6か月までの乳幼児:1日あたり400インター国際単位(IU)、1,000 IU以下
  •     生後6か月から1年: 400 IU、1,500 IU以下
  •     1~3歳: 600 IU、2,500 IU以下
  •     4〜8歳: 600 IU、3,000 IU以下
  •     妊娠中または授乳中の女性を含む9〜70歳: 600 IU、4,000 IU以下
  •     71歳以上: 800 IU、4,000 IU以下


<適量は良いからといって、多量に摂取することが良いとは限りません>

「良いものならば、摂取すればするほど良い」と言いたくなることもあります。
しかし、人生におけるその他の物事と同様に、大切なのは節度です。
長期間にわたってビタミンDを過剰に摂取すると、毒性を引き起こす可能性があります。

これは稀なことであり、日光を浴び過ぎたからといって起こることはありません。
ビタミンDの毒性は、サプリメントの過剰摂取によって発生します。
ビタミンが多すぎると、高カルシウム血症と呼ばれる、カルシウムが体内に蓄積する症状を引き起こす可能性があります。
症状は次のとおりです。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 喉の渇きの増加
  • 排尿の増加
  • 便秘
  • 倦怠感
  • 錯乱
  • 筋肉の痛み
  • 骨の痛み
  • 腎臓結石

健康的な量のビタミンDだけでなく、その他の栄養素も含まれる健康的な食事をしたいと考える場合は、栄養士に相談することが最善策です。
医者にかかる際は、病院に栄養士がいるか、紹介してもらえるかどうかを訪ねてみましょう。
保険会社に問い合わせて、このような相談費用が保険プランに含まれているかどうかを確認してください。

出典 2020年9月8日更新 Medical Daily『Can the Sunshine Vitamin Reduce COVID-19 Infections?』 (2020年9月9日に利用)
https://www.medicaldaily.com/can-vitamin-d-reduce-risk-covid19-455794