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日焼けマシーンはメラノーマリスクを高める遺伝子変異を引き起こす可能性

日焼けマシーン若い年齢で致命的な皮膚がん黒色腫を発症するリスクの上昇と関連しており、最近の研究では、日焼けマシーン内の紫外線(UV)ライトは悪性腫瘍発現につながり得る皮膚の遺伝子変異の引き金となる可能性があることが示されました。

研究者らは、日焼けマシーン使用歴のある114人のメラノーマ(悪性黒色腫)患者と、日焼けマシーン使用歴の無い222人のメラノーマ患者のデータを検証しました。
性別やスキンタイプ、髪や目の色、日光への曝露、家族歴など、メラノーマリスクに影響し得るいくつかの要因を考慮した後、研究者は日焼けマシーン使用歴のある患者におけるメラノーマの発症は約10年早まったと推定しました。

メラノーマに関連した遺伝子変異の発症率も、日焼けマシーンを使用しなかった患者の発症者は28%であったところ、日焼けマシーンを使用した患者では43%と多くなりました。

「日焼けマシーンは1度の使用でも安全ではありません。」と、本研究の著者でありカルガリー大学医学部のトニー・バービッジ博士は言います。

「私たちの患者の多くは、屋外で日光を浴びた際の過剰な日焼けを防ぐための”日焼けのベース”を作るために日焼けマシーンを使っていたと言います。」と、バービッジ氏はメールの中で述べました。
「残念ながら、これは紫外線ダメージの蓄積をさらに増加させただけであり、これにより日焼けマシーンを使用しなかった人よりもメラノーマを早く発症することにつながった可能性があります。」

日焼けマシーン内の強い紫外線は、皮膚細胞に吸収されDNA損傷を引き起こすと、バービッジ氏は言います。
そしてこの損傷がBRAF V600E遺伝子変異などの変異を引き起こし、時間の経過とともに蓄積することで、がんを引き起こす可能性があります。

若い年齢で日焼けマシーンを使用し、これを長期間頻繁にくりかえすと、DNA損傷が悪化する可能性があります。

全体として、研究対象となったメラノーマ症例の内105件(36%)はBRAF変異であったと、研究者は全米癌研究所のジャーナルにて報告しています。
ほとんどの症例が、BRAF V600E変異であったのです。

日焼けマシーンを使用したグループには、紫外線を浴びた身体の全ての部位において遺伝子変異が多く見られましたが、いくつかの部位においては差が小さく、偶然である可能性を排除できませんでした。

この研究の限界は、規模が小さかったことに加え、日光曝露の影響が世界の他の地域ほど顕著ではない可能性のある、カナダの単一の施設で実施されたことがあります。

カルガリーは赤道からの距離が遠く、冬が長いため、この研究結果では日焼けマシーンがメラノーマリスクに与える影響を過小評価されている可能性があると、アメリカのコネチカット州ニューヘイブンにあるイェール大学医学部皮膚手術科のチーフを務めるデビッド・レッフェル博士は話します。

研究に関わっていなかったレッフェル氏によると、太陽の紫外線はメラノーマやその他種類の皮膚がんにつながり得る遺伝子変異を引き起こすことでよく知られているといいます。

「紫外線放射ベッドや日焼けマシーンの人工紫外線でも、同じ影響があります。」とレッフェル氏は言いました。
「紫外線への曝露が早ければ早いほど、遺伝子変異による負荷は大きくなり、時間と共に蓄積してがんを引き起こす可能性があります。」

どんな形態の日焼け止めマシーンも避けることに加え、屋外でも注意する必要があると、アラバマ州にある美容皮膚科「Pure Dermatology & Aesthetics」の院長であるエリザベス・マーティン博士は言います。
これには、日中は日陰にとどまり、長袖や長ズボン、つばの広い帽子やサングラスを着用することが含まれます。

「そして、幅広い紫外線をブロックし、ウォータープルーフで、SPF30以上の日焼け止めを、日光に当たる全ての部分の皮膚に、外出前に塗布してください。そして、2時間毎もしくは泳いだり汗をかいた後はすぐに塗りなおしてください。」と、この研究に関わらなかったマーティン氏は述べました。

出典:2019年4月30日更新 Asia One 『Indoor tanning may trigger gene mutation that boosts melanoma risk』(2019年6月6日に利用)
https://www.asiaone.com/health/indoor-tanning-may-trigger-gene-mutation-boosts-melanoma-risk