更年期障害の管理
更年期障害の発症、進行、およびその症状の有病率に影響を与えるさまざまな要因に対して、それに合わせたケア方法が必要です。
幸いなことに、患者が個別の治療を受けられるような十分な深さの道具箱にある様々な方法と実証されている一連の対策があります。
MD Magazine(本誌)とのインタビューの中で、アメリカにあるNYU Langone Health Centreの産婦人科の生殖内分泌学者であり臨床助教授である マーガレット・ナハティガル博士は、閉経期の管理に関与する要因と対策について説明しました。
ナハティガル博士:ホットフラッシュについて、それを治療するための最も効率的で効果的な方法はエストロゲン療法です。それは、長年に渡り、ほてりを減らすことが基本的に証明されています。そして、私はたぶん、それを少し精査し、ホットフラッシュがこの血管運動不安定性によるものであるという考えを再考する必要があります。患者は通常の発汗のタイミングより低い温度でも熱くなり顔が紅潮します。
したがって、エストロゲンは素晴らしい方法です。
すべての女性がエストロゲンを安全に摂取できるわけではありません。
乳がんの女性、肝機能検査に異常のある女性、または血液凝固傾向が高い女性には、エストロゲンは、それらの人々にとってはあまり良い選択肢ではありません。
そして、それらの女性には、抗うつ剤療法などの他の選択肢があります。
有効成分がパロキセチンである市販の商品ではブリスデルがあります。
そして、薬局で市販されている商品もいくつかあります。
最良の状態でいたいのであれば、重ね着をし、健康的な生活、健康的な食事をし、運動を行ってください。これらはすべて、ホットフラッシュを減らす 対策です。
本誌:更年期の患者は、医師の助けを求める前に、自己治療を試みることはよくあるのでしょうか。
ナハティガル博士:それは本当に重要なポイントになると思います。
それは私にとって身近で大切なことです。
つまり、一人一人が個別にケアする必要があるということです。
そして、ある女性に効果がある方法も別の女性にとっては正しい方法とは限りません。
そのため、それは彼女たちそれぞれに必要となることは何であるかということによります。
たとえば、
ホットフラッシュをどれくらいの期間経験しているのか。
ホットフラッシュがどれほど悪い影響を与えているか。
それが彼女たちの日常生活に影響を与えているのか。
もしくは、他の要因は何か。
彼女たちは今までどのように暮らしてきたのか。
リスク要因は何か。
そして、上記したすべてです。
そのため、どのタイプの治療が最善かを考える前には、これらを本当に考慮する必要があると思います。
本誌:遺伝や閉経期の症状や進行状態を含むさまざまな患者の人口統計はケアにどのように影響するのでしょうか。
ナハティガル博士:そうですね、閉経年齢の原因となる既知の遺伝子は本当にありませんので、興味深いです。
もちろん、XというFMR1遺伝子がありますが、脆弱なXを患者が保因している場合、閉経が早くなる傾向があり、そういった人は早発性卵巣不全を伴ないます。
そうは言っても、患者の閉経年齢は、母親が閉経した年齢と関係があり、喫煙している女性では閉経が早いことが知られています。
そのため、これらのライフスタイルと遺伝的要因が閉経する時期を決めることの一部を担っています。
第5因子欠乏症や抗カルジオリピン抗体、または別の要因、プロテインC、プロテインSなど血栓の増加の素因になるような遺伝子を持っている場合、血栓を起こす可能性が高くなります。
そのため、ホルモン療法やエストロゲン療法を始めずに、まずは、それらのケアを異なる方法で行うことが検討されます。
【以下のリンクより引用】
Margaret Nachtigall, MD: Managing Menopause
HTP Live Network