最新の小児血圧ガイドラインが将来心臓病になる危険がある子供の増加を示す
(ロイターヘルス) ‐ 2017年に発表された小児用血圧ガイドラインの変更により、高血圧と診断された子供の数が増えた、との新たな研究が示されています。
それは、成人期に心臓病を発症するリスクが高いと、より多くの子供が識別されることを意味します。
高血圧レポートによると、小児期に血圧を記録した約4,000人の成人に関するデータを分析した後、
研究者らは、新しいガイドラインは、成人後に高血圧、心肥大およびメタボリックシンドロームを起こす可能性のある子供を特定する上で、より効果的だと結論づけました。
「この集団の古いガイドラインと新しいガイドラインを比較すると、8%の子供が高血圧を患っていると分類されることになります。」
と、トゥレーン大学公衆衛生および熱帯医学学校の助教授で寿命疫学研究センターの所長でもあるリディア・バザーノ博士は述べています。
「こういった子供たちは、成人になった時にメタボリックシンドローム、心臓の肥大、高血圧を発症する可能性が高かったのです。」
高血圧症の人々へ追加されてしまったであろう子供たちはまた、心臓発作を起こす危険性がより高い可能性がありますが、
この研究に参加している人々の大部分は現在30代半ばから50代半ばの年齢層であるので、データが収集されるのは何年もかかるだろうとバザーノ博士は述べました。
高血圧症の診断に特定の血圧閾値がある成人とは異なり、子供の高血圧の閾値は年齢、性別、身長によって異なるとバザーノ博士は説明します。
太り過ぎや肥満の子供たちを含む、すべての子供たちのデータに基づいて古いガイドラインが作成され、
太りすぎや肥満の子供たちに関する情報を除外した新しいチャートよりもカットポイントが高くなりました。
ほんの1〜2度の違いですが、8%以上の子供たちが新しいガイドラインの下では高血圧と診断されるだろうと、バザーノ博士は述べています。
新しい報告書のデータは、1973年に始まった長期にわたる一連の研究である『Bogalusa Heart
Study』からのものです。
1973年から2016年の間、3歳から18歳までの子供を対象とした9件の横断調査と、以前時代に検査されたことのある成人についての11件の調査です。
新しい研究では3,940人の子供が調査され、36年間追跡調査されました。
研究者らがこの母集団で新旧のガイドラインがどのように機能しているかを比較すると、新しいガイドラインでは後年に左室肥大を発症する可能性のある子どもたちが、
はるかに多数であったことを捕らえたことになります。
「左心室が本来あるべきよりも高い圧力に対抗しているため、左心室が拡大してその疾患を発症します。」
とバザーノ博士は述べました。
「重量挙げの選手の筋肉が大きくなるのと同じように、心臓が大きくなり、酸素が足りなくなることに対して脆弱になります。」
また、特定された変化は、最終的に成人期にメタボリックシンドロームと高血圧を発症する可能性のある子どもたちがより多いことを確認しました。
新しい研究については、ジョンズホプキンス大学の小児科の准教授で小児高血圧プログラムのメディカルディレクターである、タミー・ブレイディ博士は、
「このガイドラインの変更は、本当に危険にさらされている子供たちを特定するのに非常に優れていました。」
と評価しています。
「それは、素晴らしいことです。新しいガイドラインに従って子供が高血圧として再分類されることが、
実際に彼らがもっと心血管危険因子を持っているように思われることを示しました。
そのため、長期的な合併症を発症する危険性のある人々を特定するということが更に良い評価となっているようです。」
小児の高血圧の閾値を低くすることで、小児科医が、子供の血圧の低下のために、生活習慣を変更するように説得する場合に、
多くの薬剤を処方する可能性があるとブレイディ博士は述べました。
医師から「体重の増加を最小限に抑える必要があります。」と告げられた時、その子の親は抵抗するかもしれないと彼女は付け加えました。
「彼らは時にこのように答えるでしょう。 『うちの子は私のように元気なんです。』
しかし、高血圧症と実際に診断されることで、『警鐘が鳴ります』。」
と、ブレイディ博士は言いました。
「そして、私たちは本当にこれに取り組む必要があると、言えるのです。」
【以下のウェブサイトより引用】