最近進化した遺伝子の領域で統合失調症と双極性障害の治療への手がかりが見つかる
私たちの遺伝子の外側にある「ダークゲノム」というDNAを調査している科学者たちは、統合失調症と双極性障害に関連するタンパク質をコードするという最近進化した領域を発見しました。
彼らは、これらの新しいタンパク質は、2つの状態を区別し、精神病や自殺を起こしやすい患者を特定するための生物学的指標として使用できると述べています。
統合失調症と双極性障害は、その診断と治療が難しい衰弱性の精神障害です。
最も遺伝性である精神疾患の1つであるにもかかわらず、遺伝子として知られている『DNA』のセ部分では、その原因の手がかりはほとんど見つかっていませんでした。
科学者たちは、障害に関連する「ダークゲノム」のホットスポットには、人間の発達に有益な機能を持つために進化した可能性があると考えていますが、環境要因によりそれらの機能が破壊されることが、統合失調症または双極性障害への感受性、またはその発症につながります。
この結果は本日、Molecular Psychiatry誌に掲載されました。
「ゲノム全体をスキャンすることにより、統合失調症や双極性障害に関連していると思われるタンパク質を生成する『従来の意味での遺伝子』として分類されていない領域が見つかりました。」
と、研究時、ケンブリッジ大学の遺伝学部に拠点を置いていたこの研究の上級著者であるスダカラン・プラバカラン博士は述べました。
「これにより、新しい創薬の可能性が開かれます。これまで、これらの状態を理解して治療するための手がかりで、遺伝子を調べた人は誰もいないので、本当に心が躍ります。」
研究者たちは、統合失調症と双極性障害のこれらのゲノム成分はヒトに特有であると考えています。
新しく発見された領域は、他の脊椎動物のゲノムには見られません。
私たちの認知能力が発達するにつれて、この領域は人間の中で急速に進化した可能性がありますが、それらは簡単に破壊され、2つの状態になります。
ケンブリッジ大学遺伝学部の研究者であり、この研究の筆頭著者であるチャイタンヤ・エラディ博士は、次のように述べています。
「遺伝子として分類されたDNA領域の外側を見ると、遺伝子だけでなく、ヒトゲノム全体がタンパク質を作る能力を持っていることがわかります。
生物学的プロセスに関与し、統合失調症や双極性障害などの障害において、機能不全になる新しいタンパク質が見つかりました。」
現在利用が可能な薬剤の大部分は、遺伝子によってコードされたタンパク質を標的とするように設計されています。
この新しい発見は、統合失調症と双極性障害が遺伝性の疾患である理由を説明するのに役立ち、将来の治療のための新しい標的を提供する可能性があります。
総合失調症は、幻覚、妄想、思考や行動の乱れを引き起こす可能性のある重度の長期的な精神健康障害ですが、双極性障害は、躁から鬱に渡り極端な気分のむらを引き起こします。
症状により、2つの障害を区別することが困難になる場合があります。
プラバカラン博士は、この発見や他の発見について、商業化するために今年の初めに大学を辞めてNon Exomicsという会社を設立しました。
ケンブリッジ大学の商業化部門であるケンブリッジエンタープライズ(Cambridge Enterprise)は、知的財産権を取得することでNon Exomicsを支援してきました。
そこからプラバカラン博士は、統合失調症や双極性障害、その他の病気に関係するタンパク質を標的とする新しい治療法を開発するための基金を調達しています。
彼のチームはこれまでに、病気で破壊された新しいタンパク質をコードする遺伝子として、従来定義されていた領域の外側にある248,000個のDNA領域を発見しました。
【以下のリンクより引用】
Medical Xpress
当社関連製品カテゴリー:統合失調症