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末梢動脈疾患(PAD:Peripheral Arterial Disease)での運動は困難だが有効

ぺースの速い歩行は、何百万人もの末梢動脈疾患(PAD)の人々にとっては苦痛です。

しかし、新しい研究によると、可動性の改善が目標であれば、ゆっくりとした痛みのないペースでの歩行ではそれを和らげることはできません。

この研究には、PADに罹患する約850万人のアメリカ人の中の300人以上の患者が含まれていました。PADは、動脈にプラークが蓄積して脚への血流が遅くなる状態です。

「PADの人は通常、数ブロック歩いただけで立ち止まって休んでしまいます。」

と、シカゴのノースウエスタン大学ファインバーグ医学部の教授である、研究著者のメアリー・マクダーモット博士は述べました。

PADでは、動脈が狭くなると、活動中に脚の筋肉に酸素が供給されなくなるため、歩行が困難になります。

「歩行中の脚の筋肉への不十分な酸素供給は、痛み、不快感、緊張、脱力感、またはけいれんを引き起こします。」

と、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(Journal of the American Medical Association)の副編集長でもあるマクダーモット博士は述べています。

それでも、通常は医療関係者の監視のもと行われる「高強度」の歩行は、PAD患者の標準治療です。

それは患者のより遠くそしてより長く歩く能力を高める一方で、その痛みと監督の必要性の両方の困難があり多くの患者が行っていません。

そのため、研究者たちは、自宅で痛みのないゆっくりとしたペースで(監督なしで)歩くことで同じメリットが得られるかどうかの確認を試みました。

参加者(平均年齢:69歳)は、『ペースの遅い歩行プログラム』、『ペースの速い歩行プログラム』、または『運動プログラムなし』へランダムに割り当てられました。

運動グループへ振り分けられた人々は、彼らの歩行強度を監視するための装置を装備していました。

1年以上にわたって、両方の運動グループは、セッションごとに最大50分間を週に5回の歩行を求められました。

直接的に監督される代わりに、参加者は全員、活動パターンをリアルタイムで追跡できる電話によるコーチングが利用できました。

研究開始から6か月と12か月の時点で、すべての研究参加者は6分間の距離歩行テストを受け、障害のレベルと全体的な身体機能を評価するためのアンケートに回答しました。

研究の最後にはトレッドミルでのテストも行われ、人によっては脚の健康状態を判断するためにふくらはぎの筋生検が行われました。

調査結果は明らかでした。歩行ペースの遅いグループの人は、痛みのある歩行ペースの速いグループの人の2倍歩きましたが、最終的には、まったく歩かなかった人と比べて歩行能力の向上は見られなかったとマクダーモット博士は述べました。

しかし、歩行ペースが速いグループの人々は、どれだけ長くそしてどれだけ歩くことができるかという点で重要な進歩がみられました。

そして、監視下でなくとも彼らのパフォーマンスを高めることができたことを調査結果は示しました。

「高強度の運動は、筋肉の健康と脚への血流を改善する生物学的反応を引き起こす可能性があります。」

とマクダーモット氏は述べました。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のアーマンソン大学ロサンゼルス校心筋症センターの所長であるグレッグ・フォナロウ博士はこの研究をレビューしました。

「これらの発見は、下肢末梢動脈疾患の患者における高強度の運動の本質的な役割を強化するものです。」

と彼は述べました。

労なくして益なしということわざは本当だとフォナロウ博士は付け加えました。

「目標が患者の機能能力と全体的な生活の質を改善することである場合は、低強度の運動は高強度の運動よりも有意に効果が低いことが判明しました。」

と彼は述べました。

マクダーモット氏によると、この研究では、PAD患者がペースの速い歩行による痛みを和らげるためにできることがあるかどうかについては調査されませんでした。

「これはさらなる研究が必要です。」

と彼女は言います。

彼女のチームの研究は、米国国立心肺血液研究所の資金提供を受け、4月6日にJournal of the American Medical Association誌に掲載されました。

 

 

【以下のリンクより引用】

For People With PAD, Exercise Can Be Tough But Rewarding

Healthday