東アジア人とヨーロッパ人の間で発見された肺がん腫瘍の違い
シンガポールと中国の多くの機関の研究者チームは、東アジア人とヨーロッパ人の肺がん腫瘍の間に遺伝的な違いがあることを発見しました。
Nature Genetics誌に掲載された彼らの論文が、研究グループは東アジアおよびヨーロッパの肺癌患者からの腫瘍の分析とそれらが発見したことを説明しています。
肺がんは世界で最も致命的ながんであり、以前の研究では先祖代々による不均衡が示されています。
この新しい研究では、研究者はそういった違いを分離して、そうすることで異なる腫瘍タイプの新しい治療法につながるかどうかを調べました。
チームによる作業には、シンガポールで治療中の213人の中国系肺癌患者から摘出した腫瘍のトランスクリプトームとエクソームの配列決定が含まれていました。
彼らは、BGIコホートからの追加の中国人患者92人の遺伝子腫瘍データと結果を組み合わせました。
次に、彼らは組み合わせたセットの遺伝情報を、Cancer Genome Atlasから得た305人のヨーロッパ人の類似データと比較しました。
そうすることで、研究者が「腫瘍変異負荷(TMB)」の違いとして説明するものが明らかになりました。
TMBは、がん免疫療法に大きな影響を与えると特定されたバイオマーカーです。
バイオマーカーとは、腫瘍で見つかった突然変異の数の尺度です。
より具体的に、研究者らは、東アジアの患者の腫瘍の遺伝的変化が少ないことを発見しました。
1人あたりの平均TMBは2.04でしたが、ヨーロッパ人は1人あたりの平均TMB は5.08でした。
彼らは、TMBの平均は喫煙した患者では異なっていたものの、東アジアの患者では依然として低かったことに注目しています。
また、ドライバー変異の性質とその数も、2つの患者グループの腫瘍間で異なることがわかりました。
腫瘍サンプルのトランスクリプトームプロファイルはまた、3つの癌サブクラスターのうち2つが、以前にヨーロッパの患者で見られた末端呼吸ユニットや近位炎症性サブクラスターに類似していることが示されました。
3番目のサブクラスターは、東アジアの患者のみに固有のものでした。
この発見は、どの患者が異なる治療法によりよく反応するかを特定することが可能かもしれないことを示唆しています。
研究者はまた、遺伝的差異が生存率の予測に関連できることを発見しました。
東アジア人の腫瘍の特徴をもつ患者の予測は、ヨーロッパ人の特徴をもつ患者の予測よりも正確でした。
それはおそらく、腫瘍のゲノムがより安定しているためです。
【以下のリンクより引用】
Differences in lung cancer tumors found between East Asians and Europeans
Medical Xpress