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標的放射線療法は進行前立腺がんと闘う男性に役立つ可能性

2021 64(ヘルスディニュース) - 進行性前立腺癌の患者に新たな希望の光があるかもしれません。

研究者らは、治療法が確立されていない、転移性去勢抵抗性前立腺がんの男性に対する新しい治療法を特定しました。

転移性去勢抵抗性前立腺がんは、腫瘍に「栄養を与える」と考えられているテストステロンなどの男性ホルモン (アンドロゲン) を枯渇させる治療法であるにもかかわらず、疾患が広がり続けます。

この新しい標的放射線療法を標準治療に加えることで、これらのがん患者の生存率が改善したと研究者は報告しています。

この研究は、「手の施しようがない最も癌が進行した患者での治療の可能性を示していますが、これにより、また、複数の早期の患者グループにおいても薬剤の利点を調査するための扉が開かれます。」

と、ニューヨーク市のメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの前立腺がんセクションの責任者であるマイケル・モリス博士は述べています。

前立腺がんの約 80% には、がん細胞の表面に前立腺特異的膜抗原 (PSMA) と呼ばれるタンパク質があります。

また、骨、リンパ節、または軟部組織に拡がった前立腺がんにも分布します。

しかし、PSMA は正常な組織には存在しないため、診断と治療の両方に適した標的であると モリス博士は説明します。

この新薬には、標的分子と放射線を送達する薬品の 2 つのコンポーネントがあり静脈内投与されます。

「薬剤の各分子は、PSMA を含む細胞、通常は『前立腺がん細胞』と結合しようとします。薬剤がそれに結合すると、細胞は薬剤を細胞の内部に運びます。薬物は、薬効の送達経路となり、細胞の内部にも運ばれ、そこで細胞を照射し、細胞とそれに隣接する癌細胞を殺します。」

とモリス博士は述べました。

試験に参加するための条件として、患者はテストステロン低下療法によって病状が進行した状態であり、これは何十年にもわたる標準であるとモリス博士は述べました。

患者はまた、アンドロゲン受容体経路阻害剤として知られる別のクラスの薬剤と化学療法を経てから治療に進まねばなりませんでした。

「前立腺がんの治療を続けて起こることは、もしその治療に効果があった場合、その治療法を継続するか、副作用によって治療の継続が不可能になるか、病気が治療に抵抗性を示して効果がなくなるまで、その治療法を継続することになります。」

と、モリス博士は説明しました。



試験には 831 人の参加者が含まれました。患者は、2018 6 月から 2019 10 月の間に、『ルテチウム標識 PSMA-617』 と呼ばれる新しい治療薬に加えて、標準治療または標準治療のみを受ける群に 2 1 で無作為に振り分けられました。

新しい治療により、かなり進行した疾患を有するこれらの患者の生存期間中央値は、11.3 か月に対して 15.3 か月に増加しました。

また、X 線写真による無増悪生存期間と呼ばれる、薬剤投与中の病気の管理状態を反映する指標も、中央値の 3.4 か月から 8.7 か月に延びました。

この試験は、6 4 日~ 8 日に開催されるの米国臨床腫瘍学会のオンライン年次会議で発表されます。

学会で発表された所見は、査読付きのジャーナルに掲載されるまでは暫定的なものと見なされます。

製薬会社のノバルティスはこの研究に資金を提供し、レビューと潜在的な承認のために規制当局にデータを提出する予定です。

前立腺癌は、アメリカ人男性の最も一般的な癌であり、癌による死亡原因の第 2 位です。

この研究の肯定的な結果は、かなり進行した疾患がある患者の新しい治療選択肢となる可能性を意味します。

これはまた、通常、前立腺がんや他の疾患において、最も進行した患者に対する新しい治療法として開発および発見したものが、通常、より早期である患者に利益があり、多くの場合、それらの利益が、病気の耐性が低い患者では増幅されることがわかています。」

とモリス博士は述べました。

現在の研究では、まだ化学療法を受けていない早期の病気の患者や、前立腺がんの治療を始めたばかりの患者に対する治療法が検討されています。

ニューヨーク市にあるマウント サイナイ ヘルス システムの泌尿器科ミルトン・アンド・キャロル・ペトリー部門のシステム主任である アッシュ・テワリ博士は、この研究は患者に多くの可能性をもたらし、進行した前立腺がん患者に新たな希望を与えると述べました。

また、適度な副作用プロファイルもあると、研究に関与していないテワリ博士は述べました。

「アンドロゲン遮断療法が進行性前立腺がん治療の標準ですが、治癒率は低く、患者は最終的に去勢抵抗性になります。」

とテワリ博士は述べました。

「個々の患者のプロファイルに合わせて治療をより厳密に調整する必要があります。」

研究で判明した全生存期間の中央値に注目し、テワリ博士は、孫の結婚式などの重要な家族の節目を見るために生きている人にとって4か月の延命は非常に意味があると述べました。

「これは、科学的データに裏打ちされた十分に実施された臨床試験が患者の生活に影響を与えることができる良い例です。私たちは常に好奇心を持って、これらの選択肢を慎重に検討する必要があります。」





【以下のリンクより引用】

Targeted Radiotherapy Might Help Men Battling Advanced Prostate Cancer

Healthday