歯を失うことは認知機能の低下、認知症のリスクを高める可能性がある
歯の欠損数と認知機能の低下のリスクとの間に示される『用量反応関係』
2021年7月8日(ヘルスディニュース) - 7月8日に医療専門家協会誌 Journal of Post-Acute and Long-Term Care Medicineで公開されたレビューとメタアナリシスによると、歯を失うことは、それだけで、認知障害と認知症のリスクが高いことに関連しています。
ニューヨーク大学のロリーマイヤーズ看護学校(Rory Meyers College of Nursing) のシャン・チー氏らは、系統的文献レビューとメタアナリシスを実施して、歯の喪失と認知障害および認知症のリスクとの関連を定量化しました。
35,074人の参加者 を含めた14件の研究に基づいて、研究者は、歯の喪失が多い人ほど、認知障害【相対リスク(オッズ比)1.48(95%CI:1.18〜1.87)】そして、認知症【相対リスク(オッズ比)1.28(95%CI:1.09~1.11)】を発症するリスクが高いことを発見しました。
入れ歯を装着している人には、この関連性は有意ではありませんでした(相対リスク、1.10(95%CI:0.90~1.11)。
研究者らは、歯の喪失本数が増えるたびに、認知障害の相対リスクが0.014ポイント高くなり、認知症の相対リスクが0.011ポイント高くなるという、用量反応の証拠を発見しました。
「歯の喪失本数と認知機能低下のリスクとの間のこの用量反応関係は、歯の喪失を認知障害に関連付ける証拠を大幅に強化するものです。そしてこれは、歯の喪失が実際に認知機能の低下を予測する可能性があるといういくつかの証拠となります。」
とチー氏は述べました。
【以下のリンクより引用】
Tooth Loss May Up Risk for Cognitive Decline, Dementia
Healthday