母乳育児に子供の喘息の割合を下げる可能性
2022年6月1日（ヘルスディ・ニュース）- 母乳で育った赤ちゃんは文字通り呼吸が楽になる可能性があります。
新しい研究によると、乳児に母乳だけを与える時間が長いほど、赤ちゃんが喘息を発症する可能性は低くなります。
メンフィスにあるテネシー大学健康科学センターの新生児学の助教授である研究著者のキードレア・ウィルソン博士は、次のように述べています。
米国小児科学会は、最初の約6カ月間は母乳育児を推奨し、その後、離乳食が始まる1歳程度まで母乳育児の継続を推奨しています。
それは、母乳育児を続ける程潜在的な健康上の利点が多いためです。
「栄養素に加えて、母乳育児には、肺と免疫系の発達に影響を与える可能性のある多くの要因が含まれています。」
とウィルソン博士は述べています。
この研究には、3つの研究からの2,000組を超える母子が含まれていました。
そして、子供が4歳〜6歳のときに、母親に母乳育児と喘息の症状について尋ねました。
母親が母乳だけで育てている期間が長ければ長いほど、過去1年〜2年間に、喘鳴、喘息の診断、喘息治療薬の使用など、喘息に関連した経験を子供がする可能性は低くなりました。
母乳育児期間が2か月未満の乳児と比較して、母乳育児期間が2か月〜4か月の乳児は、4歳〜6歳の間に喘息または喘息による息切れを経験する確率が36％減少しました。
また、5か月〜6か月間、母乳のみで育てられた赤ちゃんは喘息を発症する確率が39％低く、そして、6か月以上、母乳で育った場合は、その確率が48％低下したことが研究でわかっています。
粉ミルクまたはジュースと組み合わせた母乳育児では、喘息に対しては完全母乳育児と同じ保護はありませんでした。
この研究は最近、アレルギー、喘息、免疫学（the Annals of Allergy, Asthma, and Immunology）の年報にオンラインで公開されました。
アンジェラ・ホーガン博士は、米国アレルギー・喘息および免疫学会 （ACAAI）委員会の副委員長であり、バージニア州ノーフォークにあるキングズドーターズ小児病院の小児アレルギー専門医および免疫学者です。
「母乳には、腸やその他の保護タンパク質にコロニーを形成する善玉菌がたくさんあり、体の免疫系が活性化してアレルギーを起こし、喘息を引き起こすのを防ぎます。」
と彼女は説明しました。
母乳育児ができない場合は、抗生物質の使用を最小限に抑え、新生児を病気の人から遠ざけたり、頻繁に手を洗うなどのウイルス感染を防ぐための対策を行うといった、喘息を予防する為の他の方法があります。
抗生物質の乱用は腸内細菌叢を変化させ、喘息を起こしやすい環境を作ってしまう可能性があると彼女は述ベました。
ACAAIは、ピーナッツと卵のアレルギーを防ぐために、生後6か月前後の赤ちゃんにピーナッツと卵を導入することを推奨しています。
母親が最初の6か月間だけ母乳育児をしている場合では、これは不可能だと彼女は言いました。
ホーガン博士からの一番良いアドバイスとは？
「食物アレルギーのリスクが高い乳児がいる可能性があるため、小児科医に相談してください。ピーナッツと卵子は早めに試す必要があります。」
【以下のリンクより引用】
Breastfeeding May Lower a Child's Odds for Asthma
Healthday