電話: (050) 5806 4417

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 母親のうつ病は母親と乳児の関係に影響を与える

母親のうつ病は母親と乳児の関係に影響を与える

アメリカ国立衛生研究所(National Institute for Health Research, NIHR)の資金提供を受けた研究において、Maudsley Biomedical Research CenterBRC)の研究者は、妊娠前または妊娠中でのうつ病が母子関係に影響を与えるかどうかを調査しました。

この研究は本日BJ Psych Openに掲載されました。

研究者は、妊娠中健康だった女性、妊娠中に臨床的に重大なうつ病に罹患していた女性、
そしてうつ病の既往歴はあるものの妊娠中は健康だった女性の3つの女性グループにおいて、出生後8週間と12か月の母子の相互作用の質について調べました。

この研究では、131人の女性のサンプルを使用しました。

現在も過去にもうつ病を発症したことがない51人の健康な母親、サウスロンドンとモーズリーNHS財団トラスト周産期精神科サービスから参照された、52人のうつ病の母親、そして、既往歴はあるものの現在は健康な28人の母親です。

 

相互作用の質

8週間目と12か月目の両方で、うつ病と既往歴のみのグループの母親と乳児には、相互作用の質の低下が示されました。

具体的には、8週間目で、妊娠中にうつ病を患っている母親のグループでは62%、既往歴のみの母親のグループでは56%が、カテゴリーの中で治療的介入が推奨される関係の質の最低評価となりました。それに対して、健康なグループでは37%でした。

すべての母親と乳児のグループは、8週間から12か月の間に相互作用の質が向上しました。

研究者によると、時間の経過とともに、すべての母親と赤ちゃんが互いにより調和するようになる可能性があることが示されました。

6日目には、うつ病を患う母親、または、うつ病の既往歴のあるグループの母親のを持つ乳児では、社会的相互作用行動が減少しました。

これは、母親の社会経済的困難とともに、相互作用の質の低下も予測されましたが、一方で、産後うつ病の母親ではありませんでした。

筆頭著者兼キングスカレッジロンドン精神医学・心理学・神経科学研究所のリサーチアソシエイトである、レベッカ・バインド博士は、次のように述べています。

「私たちの調査結果は、周産期のメンタルヘルスの専門家は、うつ病を患う妊婦だけでなく、うつ病の既往歴のある妊婦にも支援を行う必要があることを示唆しています。なぜなら、彼女たちは出産後乳児との相互作用が困難となるリスクがある可能性があるのです。

将来の研究では、周産期が健康であるにもかかわらず、うつ病の既往歴が人間関係の発達に影響を与える可能性がある理由を理解するよう努めるべきです。」

また、キングス・カレッジ・ロンドン精神医学・心理学・神経科学研究所(Biological Psychiatry at the Institute of Psychiatry, Psychology & Neuroscience, King's College London )の生物学的精神医学の教授であり、サウス・ロンドンとモーズリーNHS財団トラストの周産期精神科医で、コンサルタントである上級著者のカーマイン・パリアンテ博士は次のように述べています。

「医療専門家は、相互作用が困難となるリスクがある妊婦に、積極的な介護行動の例を示し、赤ちゃんを引き付けてニーズを理解する方法を提供することを推奨しており、これらはすべて、子育てや出産のクラスや健康訪問に組み込むことを可能にします。

臨床医と母親が乳児を引き付けて慰めるのに最も効果的な行動について話し合うための、動画によるフィードバックや、アートや歌のグルぷといった、母親と乳児のための活動といった介入をより広く利用できるようにする必要があります。特に最初の数年は将来のメンタルヘルスと幸福には不可欠であることがわかっているため、これは特に重要です。」

母親と乳児の関係は、関係全体の質を表す用語である「dyadic synchrony(二者共生)」を評価するCrittenden Child-Adult RelationshipExperimental-Indexが使用され、評価が行われました。

研究者は、生後8週間と12か月に撮影された3分間の相互作用に関する動画を分析しました。

研究者が顔の表情、声の表情、位置と体の接触、愛情と覚醒、話者交替の偶発性、制御、および活動の選択 といった、行動の7つの側面に基づいて関係を記録している間、母親は乳児と遊びました。

母親は乳児と遊んでいましたが、研究者は行動の7つの側面、すなわち、顔の表情、声の表情、位置と身体の接触、愛情と覚醒、交互に離すことの偶発性、コントロール、活動の選択に基づいて関係を評価しました。

研究者たちは、PRAM-D研究に参加した女性とその乳児、およびデータを募集、収集、分析した研究チームの全員に感謝しています。





【以下のリンクより引用】

Mothers' depression impacts mother-infant relationships

Medical Xpress