毎日のお茶とコーヒーが糖尿病患者の死亡リスクの低下につながる

緑茶とコーヒーの両方をたくさん飲むことは、2型糖尿病の人々の間ではあらゆる原因による死亡するリスクが低いことに関連していると、オンラインジャーナルである、『BMJ Open Diabetes Research＆Care』で発表された研究が示唆しています。

調査結果によると、1日4杯以上の緑茶と2杯以上のコーヒーを飲むと、約5年間で死亡リスクが63％低下しました。

2型糖尿病の人は、循環器疾患、認知症、癌、骨折を起こしやすい傾向があります。

そして、効果的な薬剤の数は増えているというものの、依然として運動や食事などのライフスタイルの変更が治療の基礎であり続けています。

以前発表された研究では、緑茶とコーヒーを定期的に飲むことは、これらの飲料に含まれるさまざまな生物活性化合物の効果により健康に良い可能性があることを示唆しています。

しかし、これらの研究のいくつかは、糖尿病の人々の間で実施されています。

したがって、研究者たちは、緑茶とコーヒーを別々に組み合わせて、その状態の人々の死亡リスクに及ぼす潜在的な影響を調査しました。

彼らは、2型糖尿病（平均年齢66歳）の日本人4923人（男性2790人、女性2133人）の健康状態を平均5年強追跡しました。

全員が福岡糖尿病登録簿に登録されていました。

これは、2型糖尿病患者の寿命に対する薬物治療とライフスタイルの影響を調べる多施設前向き研究です。

彼らはそれぞれ58項目の飲食に関する質問票に記入を行いました。

この質問票には、毎日どのくらいの緑茶とコーヒーを飲んだかについての質問が含まれていました。

また、定期的な運動、喫煙、飲酒、夜間の睡眠時間などのライフスタイル要因に関する背景情報が提供されました。

潜在的な潜在的な危険因子をチェックするために、血液と尿のサンプル採取と同様に、身長、体重、血圧の測定も行われました。

参加者の約607人は緑茶を飲んでいませんでした。

そのうち1,143人は1日1杯まで飲み、 1,384人は2〜3杯程度、飲んでいました。

そして1,784人は4杯以上飲んでいました。

参加者の1,000人近く（994人）はコーヒーは飲みませんでした。

また、1,306人はコーヒーは毎日カップ1杯飲んでいました。 963人は毎日、そして1,660人は2杯以上飲んでいました。

モニタリング期間中に、309人（男性218人、女性91人）が死亡しました。

その主な死因は癌（114人）、そして心血管疾患（76人）でした。

どちらの飲み物も飲まなかった人と比較して、一方または両方を飲んだ人は、何らかの原因で死亡する確率が低く、緑茶とコーヒーの両方を大量に飲んでいることは死亡率が最も低いことがわかりました。

毎日最大1杯の緑茶を飲むと、死亡率が15％低くなりました。

一方で2杯〜3杯飲んでいる人の間では、27％、死亡率が低くなりました。 1日4杯以上を超えるとその確率は40％低くなりました。

コーヒーを飲む人の間では、1日1杯までが、12％低い死亡率に関連していました。

一方、1日1杯は19％低い死亡率と、そして、カップ2杯以上は41％低い確率に関連していました。

緑茶とコーヒーの両方を毎日飲んでいた人の死亡リスクはさらに低くなりました。

2杯〜3杯の緑茶と2杯以上のコーヒーでは51％低く、また、毎日4杯以上の緑茶と1杯のコーヒーを飲む人では58％低くなり、毎日4杯以上の緑茶と2杯以上のコーヒーの組み合わせでは63％低くなりました。

これは観察研究であるため、原因を特定することはできません。

そして、研究者たちは、飲んだ緑茶とコーヒーの量の主観的な評価への依存を含む、いくつかの警告を指摘しています。

また、世帯収入や学歴など、他の潜在的に影響力のある要因に関する情報も収集されませんでした。

そして、日本で入手できる緑茶は、他の国にあるものと同じではないかもしれないと彼らは付け加えています。

これらの観察の背後にある生物学的なものは完全には理解されていないと研究者達は説明しています。

緑茶には、フェノールやテアニン、カフェインなど、いくつかの抗酸化作用と抗炎症作用のある化合物が含まれています。

コーヒーには、フェノールを含む多くの生物活性成分も含まれています。

カフェインは、循環器系への潜在的に有害な影響だけでなく、インスリンの産生と感受性を変化させると考えられています。

「この前向きコホート研究は、緑茶とコーヒーのより多くの消費がすべての原因による死亡率の低下と有意に関連していることを示しました。その効果は相加的であるかもしれません。」

と研究者らは結論付けています。

【以下のリンクより引用】

Medical Xpress