気候変動によってもたらされる熱波が腎臓病患者には命取りに
2019年8月9日(HealthDay News)- 新たな研究により、気候変動がますます頻繁発生することでもたらされる熱波に脆弱な人々がわかりました。
それは、腎疾患のある人々です。
酷暑の日は、進行性腎疾患の患者の入院と死亡のリスクを高める可能性があり、そして気候変動は、彼らがそのような日により多く直面することを 意味すると研究著者らは述べました。
「気候変動というのは、将来のシナリオや遠く離れたコミュニティに関するものではありません。それは今、ここにあります。私たちが認識しているよりも多くの点で私たちの健康に悪影響を及ぼしています。」
と、研究の共著者であるアミール・サプコタ博士は述べました。彼は、メリーランド大学公衆衛生学部、応用環境衛生学の教授です。
この研究で、研究者らはボストン、ニューヨーク、フィラデルフィアの腎臓病クリニックにおいての7,000人以上の患者の記録を比較しました。
2001年から2012年までそれらの都市では極端な熱波が発生しています。
最も暑い日の入院率と死亡率は、黒人と白人の患者で一貫して高かったものの、ヒスパニック系とアジア系の患者の所見はあまり明確ではなかったと調査結果では示されました。
うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病などの他の健康状態の患者も、酷暑の日にそれらのリスクが高くなったことを研究者らは見つけて います。
このリスク増加の理由は明らかではありませんが、熱に対する身体の反応の1つである血圧の低下が、進行性腎疾患の患者にとって問題になる 可能性があることを研究者は指摘しました。
「暑い気候は水分摂取量を厳密に管理しなければならない患者に、他の問題が発生する可能性があります。」と、メリーランド大学の研究生である、 著者のリチャード・レミジオ氏は述べました。
「暑い日であれば、喉の渇きを癒すことはできますが、残念ながら、そんな悠長な話ではありません。」と彼は言いました。
「極度に暑い日の増加に対処する能力を強化する必要があります。これは“炭鉱のカナリア(警告)”なのです。」
とレミジオ氏は大学のニュースリリースで述べました。
この調査結果は、『JAMA Network Open』で8月9日に公開されました。
サプコタ博士は次のように述べています。
「現在進行中である気候変動は極度の酷暑日を増加させています。我々の調査結果は、これらの熱波は、私たちの社会の中で最も脆弱な人達に とって特に有害であることを示しています。」
研究者は、公衆衛生を保護するために、その地域特有の対策を行う必要があると結論付けています。
【以下のウェブサイトより引用】
Heat Waves Brought by Climate Change Could Prove Deadly for Kidney Patients
Health Day