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汚れた空気は深刻な精神疾患の急増に繋がるのか?

2019年8月20日(HealthDay News)-大気の質が低下すると、精神疾患の有病率が上昇する可能性があると大規模な新しい研究で示されています。

米国およびデンマークの何百万人もの人々に関するデータを検証し、研究者は大気汚染へ晒されることとと特定の精神障害の割合との間に相関関係があることを発見しました。

この両国では、空気の質が悪いことが、双極性障害のリスクがわずかに高いことと関連しています。

また、デンマークでは、幼少期のデータが利用できましたが、生まれてから10年の間に汚染された空気にさらされていた人々は、うつ病、統合失調症、人格障害のリスクが高まりました。

「これらは相関関係にすぎません。」

と、カリフォルニアのスタンフォード大学の医学教授であるジョン・イオアニディス博士は述べています。

 「本質的に、これらのデータは決定的な答えとはなりません。」

イオアニディス博士は、8月20日のジャーナルPLOS Biologyで発表された調査結果と社説の中で記しました。

彼は、今の時点では、この調査結果はより多くの研究を促す「興味深い観察」であると述べました。

「本当に関連性があれば、それは非常に重要なことです。」とイオアニディス博士は言います。

この研究の主任研究員であるアンドレイ・レジェツキー博士は、この発見は関連性を指し示しており、原因と結果の証拠ではないことに同意しました。

しかし、シカゴ大学の医学および人間遺伝学の教授であるレジェツキー博士によれば、動物研究では汚染された空気が精神的健康にどのように影響するかについての手がかりを提供していると言います。

たとえば、大気汚染の微粒子が鼻を介して、マウスの脳に侵入することが示されています。

また、大気汚染物質にさらされたマウスは、学習障害や記憶障害、うつ病のような行動とともに、脳の炎症の兆候を示しています。

 

しかし、イオアニディス博士は、動物研究がありすぎることには警戒しています。

「動物実験では望むものを説明することができる動物を見つけることができます。」

と彼は言います。

しかし、それは実際に人間でも起こることを証明するものではありません。

この研究で、レジェツキー博士のチームは、2つの大規模な人口に関するデータを採掘し、大気汚染と精神疾患の間の関係を探しました。

米国での調査では、1億5100万人以上のアメリカ人の健康保険請求について調査が行れ、そして、2003年から2013年の間に行われたメンタルヘルスに関する診断に注目しました。

しかし、2000年から2005年の間は、それぞれの居住国の大気質に関する情報はありました。

研究者たちは、大気汚染に基づいてこれらの数を7つのグループに分けました。全体として、双極性障害の有病率は、最も汚染されたグループでは、空気が最もきれいなグループと比較して約29%も高くなりました。

一方、デンマークでのデータではより強い関連性が示されています。レジェツキー博士のチームは、1979年から2002年の間に生まれた約150万人の子供の大気汚染曝露を推定するのに十分な情報を持っていました。

調査員は、人生の最初の10年間に大気汚染にさらされた人々は、双極性障害、大うつ病、統合失調症、または37歳までに人格障害を発症するリスクが高いことを発見しました。

繰り返しますが、最大の違いは、最も汚染された地域と、人々が最もきれいな空気を吸っている地域との比較でした。

統合失調症と人格障害の割合は2倍以上であり、うつ病の割合は50%高く、双極性障害は29%高いという結果になりました。

全体として、デンマークのデータは「より強い信号」を示したとレジェツキー博士は述べました。

しかし、それは、脳の初期発達中の小児期の大気汚染への暴露が成人期の暴露よりも重要であることを意味するのでしょうか。

レジェツキー博士は、今の時点では不明だと言います。

 

イオアニディス博士によれば、調査結果は多くの未回答の質問を残したままです。

「重要なのは子供の頃の大気汚染への暴露なのでしょうか?」

とイオアニディス博士は述べました。

 「いつであっても汚染された大気に曝されるのは悪いことなのでしょうか?それともまったく違いはありませんか?」

その最後の質問は、より広範な問題に関係しています。

精神障害は複雑だとイオアニディス博士は指摘します。

それらは遺伝的な脆弱性と環境的な影響といったことも含まれます。

そして、最もきれいな空気を吸っている人々と比べ、最も汚染された地域に住んでいる人々は、彼ら特有の他の要因を持っている可能性があるとイオアニディス博士は述べました。

もちろん、汚染された地域に住むように割り当てるような試験を実施することはできません。しかし、レジェツキー博士は、因果関係の問題にアプローチする他の方法があると述べました。

例えば、空気の質が改善した後に、メンタルヘルス診断の有病率が下がるかどうかを調査する研究です。

大気の質は私たちが変えることができるものであるため、大気汚染が実際に影響を与えているのかを把握することが重要だとレジェツキー博士は述べました。

イオアニディス博士は別の点を指摘しました。

大気の質が悪いと心臓と肺の病気、そして死亡率が高くなるため、空気をきれいにしたい理由はすでにたくさんあります。

「大気汚染は私たちの健康に良くないことはみんな知っています。」

 

【以下のウェブサイトより引用】

Could Dirty Air Spur a Rise in Serious Mental Illness?

Health Day