治療不可の末期進行前立腺癌で潜在的に効果的な化学療法

アンドロゲン非依存性進行性前立腺がん（または去勢抵抗性前立腺がん; CRPC）は、米国で年間30,000人の死亡、および世界では年間350,000人のがんによる死亡の主な原因となる末期がんです。

この悪性腫瘍を治癒させる効果的な化学療法は存在せず、これらの患者の生存期間は通常5年以下です。

進行性前立腺がんと診断された男性は、「進行性前立腺がんの治療」または「去勢抵抗性前立腺がんの治療」に関する情報をインターネットで　検索するでしょう。

ほとんどの場合、さまざまな情報源が混乱または矛盾しているように思われます。

混乱は主に、さまざまな種類の「進行性前立腺がん」に起因します。

この混乱は、患者だけでなく、泌尿器科医や腫瘍医などの医療専門家にも存在します。

そのため、この混乱の問題を調整することが不可欠です。

「アンドロゲン依存性」進行前立腺がんは、前立腺におけるテストステロン促進悪性腫瘍の結果であり、進行すると転移します。

それは一般に、ホルモンのアンドロゲン除去で治療され、血漿中のテストステロンの生産と使用を枯渇させます。

アンドロゲン受容体を阻害する化学療法は、血漿で利用できるテストステロンの影響を防ぐためによく使用されます。

この治療法は、前立腺および転移部位に存在するアンドロゲン依存性悪性腫瘍を抑制および軽減します。

しかし、これは「アンドロゲン非依存性」悪性腫瘍の発生と進行につながりますが、これは末期進行前立腺癌の悪性腫瘍であり治療法はありません。

したがって、重要な問題は、「何がアンドロゲン非依存性悪性腫瘍の発現を引き起こすのか。」ということであり続けています。

その問題の解決は、化学療法の潜在的な標的を特定するために必要です。

「アンドロゲン非依存性前立腺癌の治療」についてのウェブ検索では、1984年以降、3782件の引用が明らかになっています。

その結果として、2018年以降の引用の62%は、アンドロゲン非依存性前立腺がんの治療での標的としてのアンドロゲン受容体に焦点を当てています。そして、そして、効果的に化学療法の探索の主な焦点となっています。

しかし、数十年にわたる時間と研究でも、末期の前立腺癌に対する効果的な化学療法はできていません。

これは、「アンドロゲン受容体は、アンドロゲン非依存性悪性腫瘍の発現の主要な要因ではない。」という説得力のある証拠となっています。

正常および悪性の前立腺細胞は、テストステロンおよびプロラクチンによって規制されています。

テストステロンは「主要な」規制を司り、プロラクチンによる規制はテストステロンが利用できないときに現れます。その関係は、アンドロゲン除去後も　存在します。そして、末期アンドロゲン非依存性の進行性前立腺がんは、「プロラクチン依存性」進行性前立腺がんとして発生および進行します。

その結果、末期進行前立腺がんに対する効果的な化学療法は、血漿プロラクチン濃度の抑制によって最もよく効果を発揮します。

この研究では、21か月の予想生存期間の患者が、プロラクチンの下垂体産生の阻害剤でありカベルゴリンで治療されたことが確認されました。

カベルゴリンでの治療は、血漿プロラクチン濃度を88％減少させました。そして、アンドロゲン非依存性の進行性前立腺がんを治癒させました。

これは、末期進行前立腺癌の治療が成功した最初の報告例かもしれません。

残念ながら、多くの泌尿器科医と腫瘍医は、末期進行前立腺癌の発生と治療におけるプロラクチンの主要な役割の説得力のある証拠について、認識していないか、無視しています。

例えば、アンドロゲン非依存性進行性前立腺癌に関連する引用文献502件を含む最近の2件のレビュー記事ではプロラクチンに関する言及はありませんでした。

プロラクチンの重要性を無視した場合は次のような結果となりえます。

アンドロゲン受容体を標的とする効果的な化学療法についての探索が引き続き行われなければならずそのほとんどが失敗に終わります。カベルゴリンによる治療の成功は、他の末期進行前立腺がん患者には適用されません。

そして、治療不能な末期進行前立腺がんでは引き続き死亡者が出続けます。

「治療不可能な」進行性前立腺癌はカベルゴリンなどの血中プロラクチン濃度を抑制する治療によって終結できることを知らせることが、今、重要となっています。

【以下のウェブサイトより引用】

CISION