泌尿器科合併症とパーキンソン病の治療
泌尿器科合併症のレビューは、これらの合併症とともにパーキンソン病(PD)の関連にまで拡大されました。
パーキンソン病(PD)は、アルツハイマー病に続く最も一般的な神経変性疾患の1つとして認識されています。
オンラインジャーナルのItalian Urology and Andrologyに掲載されたレビューでは、PDに関連する泌尿器科の合併症、およびこれらの合併症の治療法について言及しています。
残尿感や頻尿といった症状を含む下部尿路症状は、PDの患者によく見られ、早期から中等度の疾患の患者の74%が1つ以上の膀胱障害症状を報告しています。
このレビューには、合計90件の論文のデータが含まれています。
著者らは、患者の既往歴が泌尿器疾患を特定するための最も重要なツールであり、治療法の選択に役立つ可能性があることをまず指摘しています。
治療に関して、著者らは、薬理学的介入、特に抗コリン薬は、PD患者の貯蔵機能や過活動膀胱症状(OAB)を治療するための第一選択の選択肢であると述べました。
ただし、治療の潜在的な利点を測る場合、起こりうる有害事象を考慮する必要があります。
OABの場合は、抗コリン薬よりも忍容性に優れている、β3アゴニストのミラベグロンも使用できます。
それらは抗ムスカリン剤の典型的な副作用を欠いていることが知られていますが、PD患者でその有効性をテストした試験はほんのわずかです。
それらの限られた有効性データのために、ドーパミン作動性療法またはL-ドーパ薬およびボツリヌス毒素(BT)注射がPDの治療として言及されましたが、まだ研究途中です。
いくつかの研究ではL-ドーパが排尿症状を改善するこが報告されていますが、他の研究は相反する結果をもたらしました。
ボツリヌス毒素注射の場合、ガイドラインでは、注射前に多系統萎縮症(MSA)とPDを区別することの重要性が強調されていますが、投与量、長期的な有効性、および貯蔵機能困難または排尿困難の危険因子に関する推奨事項は含まれていませんでした。
デスモプレシンは、夜間の多尿症の管理にも効果的であることが認められました。
「抗ムスカリン薬、BTの排尿筋注射、神経調節、およびおよびCIC((Clean Intermit- tent Catheterization-クリーンな間欠的カテーテル法)の使用は、膀胱容量の減少を管理するのに役立つ可能性があります。」
と著者らは述べました。
「デスモプレシンと夕方近くの利尿薬の服用は、夜間の多尿症の管理に役立つ可能性があります。」
薬物治療とは別に、行動療法は、特に早期、そして進行したPDでのOABの初期段階における治療としても考慮されるべきだと著者は述べました。
さらに、進行性PDにおいての運動症状の治療として使用されてきた脳深部刺激療法(DBS)手術は、PD患者の泌尿器機能の改善に効果的であることが示されています。
「DBSは、膀胱容量と膀胱収縮を引き起こす量の増加、最初に排尿を望むまでの時間の増加に関連しています。」
と著者は述べています。
「DBSはPD患者のLUTS(下部尿路症状)を調節するための有望な治療法であるように思えますが、現在の研究は主に小さなコホートによるものに限定されています。」
全体として、多くの治療薬は、その有効性を証明するために、より大規模な臨床試験を必要とします。
ただし、抗コリン薬やミラベグロンなどの治療薬は、PDの潜在的な治療選択肢であり続けています。
「PDのすべての泌尿器機能障害においての治療は、これらの患者の生活の質を改善するための学際的な方法として最適です。」
と著者らは結論付けています。
【以下のリンクより引用】
Review Highlights Urological Complications, Therapies for Parkinson Disease
MJMC