減量により変形性関節症の進行を遅らせる
変形性関節症は、関節炎の最も一般的な形態の一つです。
この疾患は、関節間の軟骨が壊れて痛み、こわばり、腫れを引き起こすときに発症します。
退行性炎症状態は主に手や背骨、腰の関節、膝と足首などに現れ、45歳以上の人々に発症する可能性が最も高い疾患です。
オーストラリアの約10人に1人が罹患しており、膝や股関節置換手術の主な原因となっています。
変形性関節症には唯一といえる原因はありません。
あまりにも肥満であったり、以前に関節に損傷を受けている、または、家族歴があることなどは、変形性関節症を発症する重要な危険因子です。
体重をかけ過ぎると、膝に余分な負担がかかるだけでなく、歩き方も変化し、さらに膝関節にも影響を与えます。
減量により変形性関節症の症状を改善することができますが、それは病状の進行を遅らせるのにどれほど効果的なのでしょうか。
米国の研究者は、軽度の変形性関節症を患っているか、またはその危険性がある640人の過体重、および肥満の人々からの健康情報を収集しました。
4年以上にわたり追跡調査が行われ、これらの人々は次の3つのグループに分類されました。
元の体重の10%の減量に成功した人
元の体重の5%~10%の減量に成功した人
体重が変わらない人
体重の5%〜10%の減量に成功した人は、体重が変わらなかった人々と比較して、軟骨変性率が低いということがわかりました。
軟骨変性の進行の鈍化は、体重の10%の減量に成功した人々においてはさらに顕著でした。
観察研究の結果は、中等度または全く減量できなかった人よりも、より多く体重を落とした方が軟骨の健康には有益であることが示されています。
減量は変形性関節症での魔法の治療法ではありません。
痩せている人々がそれを発症し、悪化した症状に苦しむ可能性もあります。
また、この研究は観察研究であったので、結果が体重減少が原因であることを証明することはできず、軟骨変性の進行の鈍化における利点と説明しました。
減量に成功した人々はまた運動などの身体活動を増やしたのかもしれず、そのことが関節の健康に影響を及ぼしたかもしれません。
そして膝の痛みがひどい人は、体重を減らすのが難しいため、その結果には偏りが生じた可能性があります。
まとめ
変形性関節症の人が過体重である場合、体重の約10%減量すると、関節の負担が軽減され、身体的健康と運動性が向上します。
減量と運動量の増加を組み合わせることが最善の方法です。
体重を減らすというのは言われているよりも簡単です。
サポートグループ、栄養士による個別のカウンセリング、薬物療法、食事代替食品、運動プログラム、さらには肥満手術さえもすべての選択肢です。
正しい選択は、人のニーズを満たし、長期的なダイエットに効果的なものです。
【以下のウェブサイトより引用】