減量手術は乳がんのリスクの減少に役立つ
[ロイターヘルス]- 減量手術を選択した肥満女性は、乳がんのリスクをその余分な脂肪とともに削減する可能性があると、
米国の大規模研究で示唆されています。
研究者らは、病的に肥満である女性を2つのグループに分け比較しました。
内訳はさまざまな形態の、いわゆる減量手術を受けた約18,000人近くの人と、手術を受けなかった約54,000人です。
これらのグループは、年齢、病状および身長に対する体重の比率を示す、ボディマス指数(BMI)が類似していました。
研究者らは手術を受けたグループを平均約48ヶ月間追跡し、手術を受けなかったグループについては、平均約41ヶ月間追跡しました。
研究期間中、減量手術を受けた女性は、受けなかった女性と比較して、乳がんを発症するリスクが37%低かったと、
同研究者らは外科学雑誌『Annals of Surgery』で報告しました。
また、閉経後の女性では45%、閉経前の女性では28%、そのリスクが低下しました。
閉経後の女性では、乳がんリスクの減少はエストロゲン受容体(ER)陽性の癌で、より顕著でした。
ER陽性の癌の腫瘍はその成長のために女性ホルモンであるエストロゲンに依存します。
そして、エストロゲンは癌細胞の受容体と呼ばれるタンパク質に結合します。
それとは対照的に、閉経前の女性では、乳がんリスクの軽減は、腫瘍が成長のためにエストロゲンに頼らない、
若い女性においてより一般的なER陰性の癌でより顕著でした。
カリフォルニア州オレンジ郡にあるカリフォルニア大学アーバイン校のブライアン・スミス博士は、次のように述べています。
「主な利点は、閉経後の女性やER陽性の女性だけに利点があるわけではないということです。これは、"減量の有意義な恩恵としての癌の減少"という事実を支持し、
現在、増え続けている多くの文献を補足するものです。」
その一連の文献には、減量手術を受けた病的な肥満女性が乳癌だけでなく、あらゆる種類の癌を発症する可能性が低いことが判明した、
大規模な2017年の研究(reut.rs/2E3ru2z)が含まれています。
現在の研究で最も一般的な減量治療は胃バイパス手術です。これは胃を卵の大きさ程度に縮小し、食べ物の一部を迂回するように腸を再配置します。
次に最も一般的なのは、胃をバナナの大きさに縮小する、腹腔鏡によるスリーブ状胃切除術です。
米国の国立糖尿病、消化器腎臓病研究所によると、減量手術の利点は、2型糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、睡眠時無呼吸、尿失禁、
膝通や腰痛など、肥満に関連した多くの健康問題を改善することです。
しかしながら、この研究の研究者らは、おそらく、手術を受けた人々の体重がリバウンドする傾向があるため、手術が行われてから約3年後に、
乳がんリスクの低下はなくなり始めたことを見出しました。
さらなる研究では、患者をより長期間観察し、体重を落とすことで癌のリスクを低減するという利益を維持することができるかどうかを確認するために、
減量そして、リバウンドしてしまった脂肪の量について検討する必要があると、
研究のリーダーであるコロラド州オーロラ市にあるカイザー・パーマネンテヘルスリサーチ研究所のヘザー・スペンサー・ファイゲルソンしは述べました。
「私たちが目にしているこの効果は、短期的な効果にすぎないのかもしれません。」
【以下のウェブサイトより引用】