減量手術は最も必要とする米国の州での使用が最も少ない

2021年6月14日（ヘルスディニュース）　-　アメリカ南部と中西部は全国で最も高い肥満率ですが、しかし、新しい研究では、これらの地域に住むの重度の肥満体の人は、命を救う減量手術を選択する可能性が最も低いことが明らかになっています。

「減量手術は、長期的な体重減少、心血管および代謝の健康の持続的な改善、さらには長寿効果が示されています。」

と研究著者のスコット・シンプケ博士は述べています。

しかし、分析は、病的肥満およびそれに関連するメタボリックシンドロームの最良の治療法を十分に活用していないことを示しています。

シカゴのラッシュ医科大学の低侵襲および減量手術部門の助教授であるシンプケ博士と彼の同僚は、肥満は心臓病や糖尿病を含む40個以上の異なる、重篤な病気を発症するリスクがかなり高いことに関連していると指摘しています。

アメリカ心臓協会は、メタボリックシンドローム（5つの異なる状態のグループ）がそのような病気のリスクを高めると説明しています。

腹部肥満はそのようなメタボリックシンドロームの1つです

他の4つには、高血糖、高トリグリセリド値、高血圧、低レベルの善玉コレステロール（HDL）があります。

スリーブ状胃切除術や胃バイパス術を含む減量手術により患者はかなりの減量ができ、そのようなリスクを減らす機会となります。

実際、研究チームは、減量手術が重度の肥満患者の標準治療であることに注目しました。

重度の肥満は、肥満度指数（BMI）が40、またはBMIが35以上で、糖尿病などの肥満関連の合併症があることと定義されています。

シンプケ博士と彼のチームは、保険金請求データを使用して、2010年から10年間の期間で、重度の肥満であるために、減量手術の対象となる米国全体で約180万人の患者の情報に焦点を当てました。

彼らのうち、およそ10万人がその期間内に実際に減量手術を受けました。

しかし、手続きのパターンは州によって大きく異なりました。

たとえば、ニュージャージー州、ロードアイランド州、デラウェア州の適格とされた患者で手術を選択したのは約9％から10.4％でしたが、ウェストバージニア州、アラバマ州、アーカンソー州では3％未満でした。

全体として、研究者は、地域別の選択率で最も低いのは中西部であり、中西部の人々の34％近くが肥満であるにもかかわらず、手術が適格と思われる患者で手術を受けていたのは4％強であると判断しました（この地域は全体的な肥満率が国内で最も高い地域となっています）。

対照的に、最も高い手術選択率（ほぼ8％）は、全体的な肥満率が低い（29％）北東地域で見られました。

調査結果は先週、米国代謝および減量手術学会（the American Society for Metabolic and Bariatric Surgery）のオンライン会議で発表されました。

このような研究は、査読付きのジャーナルに発表されるまでは予備的なものと見なされます。

「利用率の幅広い変動には、いくつかの要因が考えられます。」

とシンプケ博士は述べています。

彼は以下の違いを強調しました。

＊医療機関の利用のしやすさ

＊患者と医師の間での信頼関係や態度

＊利用可能な病院と外科医の数

＊保険の補償要件

シンプケ博士はまた次のように指摘しています。

「医師や開業医と患者の両方の間での減量手術に関連する否定的な心理的社会的な負の要因があり、これは、減量手術の安全性と有効性を詳述した、『戦略的キャンペーン』で対処する必要があります。」

ダラスにあるテキサス大学オースティン校(UT)サウスウエスタンメディカルセンターにある保健専門学校の臨床栄養学部のプログラムディレクターであるロナ・サンドン氏は、最終的には社会的、文化的、経済的要因が幅広く混在している可能性が高いことを示唆しました。

彼女は研究にはかかわりはありませんでした。

「一つに、同じような体格の他の人に囲まれている人は、自分の体重が標準外であると認識しない可能性があり、したがって、減量手術を考えないのかもしれません。」

とサンドン氏は言います。

「そして肥満率が最も高い州と、より低い州とでは、民族や文化に違いがあります。」

また、彼女は次のように述べました。

「肥満率が高い州は、食料不安率も高い傾向があり、これは一般的に収入が少ないことを意味します。」

「減量手術は、特にそれに対する十分な保険がない場合、費用のかかる方法です。」

しかし、減量の成功は、術後の食事とライフスタイルに「挑戦的な変化」を取り入れることに依存しますが、このプロセスは確かに人々が体重を減らし、より良い管理下で、他の負の健康問題の発生を防ぐことに一役買うものだとサンドン氏は述べました。

したがって、手術の成功事例を共有し、血圧や糖尿病などのリスクの高い健康問題を軽減することの利点を強調することにより、手術に適した患者が、治療の選択肢とそれに成功する可能性について理解することを助けることが重要であると彼女は述べました。

【以下のリンクより引用】

Healthday