減量手術は結腸癌のリスクを低下させる

2020年3月12日（HealthDay News）-　肥満は結腸癌のリスクを高めますが、減量手術によりそのリスクが正常に戻る可能性があるとフランスの研究者は報告しています。

この新しい研究の著者によると、肥満の人は一般集団よりも大腸がんのリスクが34％高くなりますが、どのタイプの肥満（減量）手術でもリスクを回復させることができます。

「50歳から75歳までの人々は、結腸直腸癌を発症するリスクを特に懸念しており、すべての患者は定期的にスクリーニング検査を受ける必要があります。」

と、主任研究員であるニース中央病院（Center Hospitalier Universitaire de Nice）のローラン・バイリー博士は述べています。

「50歳から75歳の肥満患者の場合、我々の観察研究により、肥満手術は非手術患者と比較して結腸直腸癌のリスク低下と関連していることが示されました。」とバイリー博士は述べました。

しかし、注意すべき点があります。この研究は、減量手術が結腸癌のリスクを低下させることを証明せず、関連があることだけを証明するものです。

そして、付随するジャーナル編集者の著者は、調査結果が決定的であるとは思っていません。

「肥満手術後の大腸がんリスクが増加するか減少するかについての決定はまだだされていません。」

と、共著者であるランス・デビッドソン氏は述べました。

彼はユタ州プロボにあるブリガムヤング大学の運動科学の准教授を務めています。

「減量のための外科的介入を検討している患者は、利用可能な文献と意思決定の個人的な好みに基づいて、選択肢を検討するべきです。」

とデイビッドソン氏は述べました。

この研究のために、フランスの研究者は2009年から2018年の間に収集された50歳から75歳の肥満の100万人以上のデータを評価しました。

5年間の追跡調査において、13,000人以上が結腸癌または直腸癌を発症しました。

減量手術を受けた人の中で、結腸直腸癌の割合は0.6％でした。また、手術を受けなかった人では1.3％だったことを調査結果は示しています。

調査者は、胃バイパス術およびスリーブ胃切除術後の胃癌および直腸癌の診断例は、調節可能な胃緊縛術を行った後よりも少ないことを発見しました。

研究者らは、胃バイパス術またはスリーブ胃切除術後よりも胃緊縛術後の方がより多くの非癌性ポリープが見つかったと報告しました。

このレポートはJAMA Surgeryのオンライン版で3月11日に公開されました。

減量手術の目的は、患者がより早く満腹感を感じて食べる量が少なくなるように、より胃を小さくすることです。

胃緊縛術では、シリコンバンドを胃の上部に配置して、胃を小さくします。

胃バイパス術では、胃が小さくホチキス止めされ、小腸がそれに接続されます。

スリーブ胃切除術では、胃の約80％が切除されます。

「私たちは常に、糖尿病、心臓病、血管の問題という観点から、肥満について考えてきましたが、真実は、肥満とウエストの上昇が心血管疾患だけでなくすべての慢性疾患に関係しているということでした。」

と、ニューヨーク市のレノックスヒル病院での肥満手術を主に行う、ミッチェル・ロスリン博士は述べました。

彼は研究結果を評価しました。

減量手術は、体が作るインスリンの量を改善するため、多くの患者は、手術後に糖尿病の症状がなくなります。そしてそれが結腸癌のリスクが低下する理由になる可能性があるとロスリン博士は述べました。

「インスリン抵抗性とメタボリックシンドロームと肥満は結腸癌に関連しており、人々は結腸直腸癌に糖尿病薬メトホルミンを使用することについて話しました。」

と彼は言いました。

ロズリン博士は、患者が体重を取り戻すと結腸癌のリスクが上昇する可能性が高いと述べました。

「しかし、そのリスクを下げることで5年〜10年長生きすることができます。」

と彼は付け加えました。

体重を減らすことで、子宮がんや閉経後の乳がんなど、肥満に関連する他のがんのリスクも低下する可能性があるとロスリン博士は述べました。

人々が肥満である場合、インスリン抵抗性の可能性も高くなります。

それは、腫瘍の成長因子であるインスリンをより多く産生することを意味すると彼は指摘しました。

「そのため、おそらくふたつのことが発生しています。」

とロスリン博士は述べました。

「ひとつは、がんのリスクがおそらく高いことであり、がんが攻撃的で治療が困難になるリスクもおそらく増加するということです。また、ステージ4の肥満の癌患者は、通常の体重の人よりも癌が悪化します。」

【以下のリンクより引用】

Health Day