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犬を飼うと子供の総合失調症リスクが低下する可能性

幼少期に犬を飼っていると、総合失調症を予防できるのでしょうか?
これは、今月発表されたジョンズ・ホプキンズ研究の驚くべき結果です。

研究者は1,300人以上の成人にインタビューを行い、内およそ3分の1の成人が総合失調症の診断を受けていました。
インタビューでは、13歳の誕生日を迎える前に、家で犬や猫を飼っていたかどうかが尋ねられました。

試算や性別、出身地などの要因コントロールを終えた後、13歳になる前に犬を飼っていた人は、総合失調症の診断を受けるリスクが25%近く減少したことがわかりました。

この研究では、猫との関わりと総合失調症との間には、統計的に有意な関連は見られませんでしtあ。
また家に猫や犬がいることと、双極性障害発症率との間にも、関連がないことがわかりました。

科学者は、幼少期に犬と関わることが、総合失調症の予防につながる理由を特定できていません。
しかし、いくつかの可能性が提示されています。
例えば、犬を飼うことには、生まれ育った地域や家族の経済状況とも何かしら関連があるため、犬を飼うことで精神疾患予防効果が見られる原因には、別の所に理由がある可能性があります。

しかし研究者は、犬が私たちの身体にいくつかの生物学的影響を及ぼす可能性も指摘しています。
他の研究では、特にペットの子犬は、免疫機能を改善し、喘息や食物アレルギーリスクを減らすことが示されています。
また飼い犬は、子供のいわゆる「マイクロバイオーム(私たちの体内に生息する細菌や真菌、その他微生物のコロニーを指す)」の改善に役立つ可能性があります。


<総合失調症とは?>
MedicineNetの医学著者である精神科医のRoxanne Dryden-Edwards医師によると、総合失調症とは精神病を引き起こす重度の慢性障害であるといいます。
精神病とは現実と隔離することを指し、総合失調症を発症すると、現実を非現実的な経験と分離することが困難になります。

総合失調症には複雑な原因があると考えられると、Dryden-Edwards医師は述べています。
親から子供に直接遺伝することはありませんが、精神病を患う近親者がいる人は、病気を発症しやすくなります。

また、様々な生物学的脆弱性が、リスク上昇に繋がる可能性があるようです。

「脳の神経化学物質であるドーパミンに異常があり、脳の一部の領域で脳白質が少ない人は、総合失調症発症リスクが高まります。」と、Dryden-Edwards医師は言います。
「総合失調症発症の素因となると考えられるその他の脳障害には、デフォルトモードネットワーク接続と呼ばれる、脳内の異なる領域間の接続における異常があります。」

他に環境リスクも存在し、これにはいじめや虐待、親の喪失、マリファナ(大麻)やアンフェタミンなどの薬物乱用が含まれると、Dryden-Edwards医師は述べています。

彼女は、総合失調症と双極性障害は遺伝的に類似しており、共通のリスク遺伝子が多く存在する点に注目しています。
しかしこれら2つの疾患には、それぞれ独自の遺伝要因も存在します。

出典 2019年12月20日更新 MedicineNet『Pet Dogs May Reduce Kids' Schizophrenia Risk』(2019年12月26日に利用)
https://www.medicinenet.com/script/main/art.asp?articlekey=226850