犬用治療薬の使用リスク
イベルメクチンはフィラリア症を防ぎ、ヒゼンダニ症や耳ダニなど他の寄生虫の治療のため犬用の抗寄生虫薬です。
イベルメクチンの効果には、これらの寄生虫に対する強力な殺虫作用があります。
しかし、副作用は軽度であり嘔吐、下痢、食欲不振などがあります。特に、イベルメクチンの副作用は、犬がミクロフィラリア(糸状虫の幼虫系)を持っている場合、深刻なものとなる可能性があります。
そのため、イベルメクチン投与前には、犬糸状虫症の状態を知っておく必要があります。また、シラミ予防やシラミ駆除にもイベルメクチンが使用されることがあります。
ミクロフィラリアに感染している犬にイベルメクチンを使用すると、嘔吐、低体温症やうつ病などの副作用を引き起こす可能性があります。
また、発作等を引き起こす中枢神経系の病気にも関係しています。
ワシントン州立大学の獣医研究者は、特定の犬の品種がイベルメクチンを含む薬に対して敏感であり、この薬物感受性は、多剤耐性遺伝子(MDR1)における突然変異に起因することを発見しました。
イベルメクチンは特定の寄生虫(腸内寄生虫、ダニ、シラミ)の神経ダメージを与え、殺虫する効果があります。
フィラリア予防目的でのイベルメクチンの投与量は他の用途で使用する場合より低用量で十分とされています。
現在、FDAはフィラリア予防と耳ダニ治療でのみイベルメクチン使用を承認しています。
獣医が適応外使用でイベルメクチンを処方した場合、投与量はフィラリア予防の用量よりも50倍になる可能性があることを注意してください。
先に記載したように、ワシントン州立大学はいくつかの薬に対して重篤な副作用を引き起こす可能性のある多剤耐性遺伝子(MDR1)の存在を発見しました。
遺伝子MDR1を持っている犬は、脳から薬の有害成分を排出することができないため、深刻な副作用や神経症を引き起こします。
ワシントン州立大学によると、米国のコリー犬(Collie)の4分の3は変異型MDR1遺伝子を持っており、フランスとオーストラリアの調査でもほぼ同じ結果でした。
つまり、世界のほとんどのコリー犬は変異型MDR1遺伝子を持っている可能性があります。
現在変異MDR1遺伝子を持っているかどうかを知る方法は動物病院での検査だけです。
犬の飼い主はイベルメクチンの使われている製品を投与する前に検査することが推奨されています。
9ヶ月から1年間フィラリアに投与が推奨されている場所は米国では南テキサス、南フロリダ、湾岸エリアなどです。
他の州では3ヶ月から7ヶ月の投与が推奨されており、米国のほとんどの場所では6ヶ月以下の投与期間が推奨されています。
しかし、まずは獣医に蚊から感染するリスクなどを説明してもらいましょう。
ペットの体調を管理し、免疫システムを維持させることも寄生虫予防のために重要です。
バランスの取れた食事療法をとることでも害虫や寄生虫予防に重要であり、健康状態が悪いと害虫や寄生虫に寄生されやすくなります。
ステロイドや抗生物質を投与することはよく獣医によって処方されていますが、過剰に投与するとかえって犬の健康状態を悪くします。
以下のサイトより引用
barkandwhiskers