産後うつの治療薬が有望な結果を示す
ニューヨークにあるファインスタイン医学研究所行動科学研究所のクリスティーナ・デリジャニディス博士率いるセージ・セラピューティクスとバイオジェン(Sage Therapeutics and Biogen)の医学者のチームは、産後うつの症状を軽減するための新薬から有望な結果を得ました。
アメリカ精神医学ジャーナル(American Journal of Psychiatry)に報告された彼らの研究は、このグループは産後の女性を対象として第III相臨床試験を実施しました。
産後うつ病は、多くの女性を悩ませる気分障害です。
その症状には、極度の疲労、気分の落ち込み、興味や集中力の欠如、自殺願望などがあります。
これまでの研究では、7人に1人の女性がある程度の産後うつの症状を経験していることが示唆されています。
現在利用できる薬はズルレッソ(ZULRESSO™ )の 1 つだけで、この薬剤は3 日間かけて静脈内投与されるため入院が必要です。そして、それは、ほとんどの新米ママにとって耐えがたい状況なのです。
この新しい研究において、研究チームはズラノロン(zuranolone)と呼ばれる治療薬を開発しました。
この薬は錠剤の形で複数日、連続で服用することができ、通常は 15 日間服用できます。
注目すべきことに、この薬は抗うつ薬ではありません。
これは、気分や行動に関与するネットワーク内のニューロン発火のバランスを整えることによって症状を軽減するように作用するステロイド薬なのです。
2週間後、患者は薬の服用を中止し、次の数週間は医師の診察を受けます。
この薬の有効性をテストするために、研究者らは、最近出産し、以前に重度の産後うつ病と診断された女性170人を集めました。
ボランティアの半数には薬が投与され、残りの半数にはプラセボが投与されました。
研究者らは、研究に参加した女性全員に症状の改善が見られたものの、有意な改善が報告されたのは薬剤が投与された女性だけであり、4週間~6週間、持続的に改善されていたことを確認しました。
プラセボを投与された女性は、育児からの休息など、他の種類のケアを受けたことにより、研究期間中に症状の改善が見られた可能性が高いとされています。
FDAはこの薬剤について審査中で、8月5日までに承認の可否を決定する予定です。
【以下のリンクより引用】
Pill for postpartum depression shows promising results
Medical Xpress
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