甲状腺ホルモン 全身に影響
甲状腺は、のど仏のすぐ下にある臓器で、チョウのような形をしている。心身の様々な働きに関わる甲状腺ホルモンを分泌する。
今回は日本甲状腺学会の専門医が所属する医療施設など656施設に、甲状腺の病気の治療実績(2013年)についてアンケートを実施、320施設から回答を得た(回収率49%)。甲状腺診療は内科、外科、耳鼻咽喉科、小児科、放射線科などが担当するが、一部診療科のみ回答を寄せた施設もあった。
代表的な病気には、体内で甲状腺を刺激する物質ができて、ホルモンの分泌が過剰になる「バセドウ病」と、甲状腺に慢性の炎症が起こる「橋本病」がある。
甲状腺ホルモンの過剰や不足で起こる症状は多岐にわたる(下記)。そのため、患者は便秘がひどいなら消化器内科、気力や記憶力の低下が著しいなら精神科、動悸があれば循環器内科などを受診し、甲状腺の病気と診断されるまでに遅れてしまうことが多い。日頃から、甲状腺に関する知識を深めておきたい。
【甲状腺ホルモン異常で起こる主な症状】
ホルモン不足:便秘、体重増加、皮膚の乾燥、気力低下、うつ状態、記憶力低下、寒がり、むくみ
ホルモン過剰:動悸、体重減少、ふるえ、下痢、発汗、イライラ、不眠