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甲状腺ホルモンが低下すると糖尿病リスクが増加する理由

2018年にジャーナルHindawiに掲載された研究では、インドの総人口の11%(約4,200万人)が甲状腺機能低下症を罹患していることが示されました。

すなわちインド人の10人に1人以上が甲状腺機能不全を患っていることを意味し、これは驚くべき状況です。

これだけでは心配に値しないとでも言うように、最近科学者らは、甲状腺機能低下症と糖尿病に関連があることを発見しました。


<甲状腺機能障害>
甲状腺とは蝶のような形をした腺であり、首の前、喉仏の真下にあります。
血流に一定量の甲状腺ホルモンを絶えず放出することで、多くの身体機能の調節に役立っています。

甲状腺機能障害は、甲状腺機能亢進症または甲状腺機能低下症として現れます。
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺がサイロキシン(チロキシン)というホルモンを過剰に産生することで体の代謝が促進され、体重減少を含む様々な身体の変化を引き起こす疾患です。
甲状腺機能低下症は、サイロキシン産生の低下を特徴とし、代謝の減速を引き起こします。これにより体重の増加や寒冷過敏症が起こります。


<甲状腺機能低下症と糖尿病の関連>
糖尿病と甲状腺疾患は、どちらも最も一般的な内分泌障害の一つで、同時に両方の疾患を患う患者もよく見られます。
多くの研究では、甲状腺機能低下症を患う人は、2型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)発症リスクが高まることが示されています。
無症候性甲状腺機能低下症(甲状腺機能低下症の初期形態)を患う女性のほとんどは、妊娠中に糖尿病(妊娠糖尿病)を発症する可能性が高まります。

科学者は、甲状腺機能障害が、2型糖尿病発症によって起こる症状と同様にインスリンに影響を及ぼすことによって、炭水化物代謝が変化する可能性があると考えています。


<様々な結論>
甲状腺ホルモンが体内のインスリン代謝に与える影響については、様々な科学者が異なる結論を出しています。

  • 一部の科学者は、甲状腺ホルモンは体の代謝やエネルギー消費において重要であるため、甲状腺ホルモン値が低下すると、肥満度指数(BMI)が上昇すると考えています。

  • 別の研究では、甲状腺機能低下症がインスリン感受性低下の原因であるとの主張がされています。すなわち、インスリンが吸収するグルコース量が減ることにより、血糖値が過度に高くなるということです。また、甲状腺機能低下症は、主に筋肉でインスリンがグルコースの利用を増加させる能力を低下させます。

  • 一部の研究では、人口の多くを占める甲状腺機能が低い~正常である(甲状腺機能低下症もしくはそのリスクがある)人は、前糖尿病から糖尿病に進行するリスクがさらに高まることが示されています。


<リスクを減らす>
科学者は、前糖尿病と甲状腺機能低下がある人には、糖尿病治療もしくはライフスタイルの調節(適切な食事や運動など)を、早期に促すことができると考えています。

彼らはさらに、無症候性甲状腺機能低下症と前糖尿病両方を患う人に対して、2型糖尿病発症リスクを下げるために甲状腺治療を開始すべきであると述べています。

出典 2020年1月9日更新 Firstpost『 How low thyroid hormone increases your risk of diabetes』(2020年1月10日に利用)
https://www.firstpost.com/health/how-low-thyroid-hormone-increases-your-risk-of-diabetes-7884931.htm...