男性の500人に1人は余分な性染色体を持っており一般的ないくつかの病気のリスクが高い

ケンブリッジ大学とエクセター大学の研究者によると、男性の約500人に1人は余分なXまたはY染色体を持っている可能性があり、そのほとんどは気づかれていません。

Genetics in Medicineに掲載された研究において、研究者は、英国バイオバンクから40歳〜70歳の20万人以上の英国人男性から収集された遺伝子データを分析しました。

英国バイオバンクは、50万人の英国参加者からの匿名化された遺伝子、ライフスタイル、健康情報を含む生物医学データベースおよび研究リソースです。

彼らは、余分なX染色体または余分なY染色体のいずれかを持っている356人の男性を見つけました。

性染色体は私たちの生物学的性を決定します。

男性には通常1つのX染色体と1つのY染色体があり、女性には2つのX染色体があります。

ただし、一部の男性では、余分なXまたはY染色体（XXYまたはXYY）を持つ場合もあります。

遺伝子検査がなければ、それはすぐには明らかではないかもしれません。

思春期遅発症と不妊症の検査中に、余分なX染色体を持つ男性が特定されることがあります。

ただし、ほとんどの場合は、この状態になっていることに気づいていません。

Y染色体が余分にある男性は、幼少期から大人になるまでより背が高い傾向がありますが、それ以外の場合、特徴的な身体的特徴はありません。

彼らの研究において、研究者らは、余分なX染色体を持つ213人の男性と、余分なY染色体を持つ143人の男性を特定しました。

英国バイオバンクの参加者は一般の人々よりも「健康的」である傾向があるため、これは500人に1人の男性が余分なXまたはY染色体を持っている可能性があることを示唆しています。

これらの男性のうち、ごく少数だけが、医療記録または自己報告によって性染色体異常と診断されました。それは、XXYの男性の4人に1人未満（23％）および143人のXYY男性の1人（0.7％）だけが既知の診断を受けていたことになります。

研究チームは、遺伝子データを日常の健康記録にリンクすることにより、XXYの男性は、思春期遅発症のリスクが3倍高く、成人してからは子供がいないリスクが4倍高いなど、生殖障害の可能性がはるかに高いことを発見しました。

これらの男性はまた、生まれつき男性ホルモンであるテストステロンの血中濃度が有意に低いこともわかりました。 XYYの男性の生殖機能は正常であるようでした。

XXYまたはXYYのいずれかを持つ男性は、他のいくつかの健康状態のリスクが高いこともわかりました。

2型糖尿病になる可能性は3倍、静脈血栓症を発症する可能性は6倍、肺塞栓症を経験する可能性は3倍、慢性閉塞性肺疾患（COPD）に罹患する可能性は4倍でした。

研究者らは、余分な染色体がそれらの疾患のリスクを高める理由や、どの性染色体が複製されたかに関係なく、リスクが非常に類似している理由は明らかではないと述べています。

研究の筆頭著者であるケンブリッジ大学の医学研究評議会（MRC）疫学ユニットの学生、ヤジー・ジャオ氏は次のように述べています。

「かなりの数の男性が余分な性染色体を持っていますが、これに気付いている人はほとんどいないでしょう。この余分な染色体があることは、多くの一般的な代謝性疾患、血管性疾患、呼吸器疾患、つまり予防可能な疾患のリスクが大幅に高いことを意味します。」

ケンブリッジ大学のMRC疫学ユニット、および共同筆頭著者であるケン・オン教授は、次のように付け加えました。

「遺伝子検査では染色体異常をとても簡単に検出できるので、関連する健康上の懸念があり、医師に診てもらう男性では、XXYとXYYをより広く検査することが役立つかもしれません。」

「一般集団における染色体異常のより広範なスクリーニングに付加価値があるかどうかを評価するためには、より多くの研究が必要ですが、この研究は、関連疾患を回避するのに役立つ早期介入につながる可能性があります。」

エクセター大学のアンナ・マレー教授は、次のように述べています。

「私たちの研究は遺伝学から始まり、過去によく行われてきたように、特定の特徴を持つ男性をテストするだけで偏ることなく、高齢者に余分な性染色体を持つことの潜在的な健康への影響について教えてくれるので重要です。」

以前の研究では、1,000人に1人の女性が追加のX染色体を持っていることがわかっています。これにより、言語発達に遅れがあったり、思春期までの成長が加速したり、同級生と比較してIQレベルが低いといった可能性があります。

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