病院職員の病気が患者へ伝染する危険
病院で働く労働者は時々、公衆衛生規制当局の推奨に反して、風邪などによる伝染性の呼吸器疾患を患った状態で働いており、伝染性呼吸器疾患を患者に感染させる恐れがあるとカナダの研究では示唆されています。
こういった症状を示した2,093人の医療従事者のほぼ全員が、病気のある程度の時点で、仕事に戻っているようでした。
『Journal of Infection Control&Hospital Epidemiology』に掲載されたこの研究では、4期のインフルエンザの流行中にカナダ全土の9つの病院の 看護師、医師、およびサポートスタッフにオンラインの病気日記を記入してもらい、鼻水、鼻づまり、発熱、咳、のどの痛みなどの症状を記録して もらいました。
研究期間中に伝染性の呼吸器疾患を患った1,036人の参加者のうち、52%が予定日の仕事を通常通りこなしていると報告し、94.6%が少なくとも 1日は病気であるにも関わらず働いていたと報告しました。
病気の間に働く理由として最も一般的なのは、病気が軽度で管理しやすいように思えるということです。
他の医療従事者と比較して、医師は病気であっても仕事をする可能性が高く、看護師はそれほどではありませんでした。
しかし、管理責任者が病気がひどくならない限り、働いてくれると期待しているように感じた看護師は、働く義務を感じる可能性が高くなりました。
実際、ほとんどの人にとって、義務感を感じることは、管理責任者が彼らに何を期待しているかについての認識と同様に、病気でも仕事に出るという 決断の背景にある要因でした。
若い労働者や有給病欠休暇がない労働者は、働かずに家にいる余裕がないと言う傾向がありました。
カナダ・トロント大学のダララナ公衆衛生大学院の研究生で、研究著者であるブレンダ・コールマン氏は、次のように述べています。
「これらの理由を知ることでのみ、管理者と雇用者が他の人へ感染させるリスクを軽減することができます。」
病院の労働者の11%は、「やるべきこと」があったために悲惨な気持ちを抱きながらも、仕事に来たと答えました。
医師はこの研究では過小評価され、病気が自己申告であることも結果を混乱させる可能性があることも著者は確認しています。
米国疾病対策予防センターは、医療従事者に、発熱や呼吸器症状がある場合は7日間休みを取るか、一時的な、シフトの再編成を検討するよう 助言しています。
研究チームは、病気休暇の方針や文化的な規範を変えることで、病気である医療従事者から患者への病気が伝染する危険性を減らすことができると示唆しています。
また、研究者らは病気の労働者による欠勤が出た場合の費用とリスクを、病気の間に働くことに関連する病気が伝染した場合の費用とリスクとの バランスをとる方法を理解することも必要であると述べています。
【以下のウェブサイトより引用】
Sick hospital workers often expose patients to contagious illness
REUTERS