百日咳はまだ身近に・・・
最後の一人の患者の診察を終わらせて、私は間近に迫った休暇について考えていました。
鼻水や軽い咳があったものの、さほど気になりませんでした。
ここ2、3日は悪寒があったものの気にしませんでした。
それがすべて、数日間の旅行中に変わってしまいました。
まだ体調は全体的には悪くはないような気がしましたが、息切れを起こすような咳がしつこく続くようになりました。
自分が百日咳を患っていることに気づいた時には、私の家族のほとんどが同じ道を歩いていました。
なんというお土産を家に持ちかえってしまったのでしょう!
次の数週間は、昼間は咳がなく、夜になると子供たちが嘔吐するまで咳をするために常に目が覚めている状況でした。
結局のところ、散々な目に合ったこの旅行については愛情をこめて「地獄のホリデー」と呼ぶことにしました。
百日咳(英語名:Whooping
cough)は咳の後の息を呑む時に発せられる「ゼイゼイという声(Whooping)」の音からその名前がついています。
その名の通り、「100日間の咳」と言われていますが、罹患期間は120日または130日に近いと言われています。
その休暇は20年以上前の話です。
メアリービルに住んでいるここ数年では、たまに咳を検査する必要がありますがほとんどが陰性です。
しかし、ここ数週間を含めてしばらくの間、私達は百日咳のわずかな再発症を見ました。
百日咳は軽い疾患ではありません。世界中で年間約2千4百万件の百日咳の発症があり、そのうち死者は約16万1000人です。
百日咳は、ワクチン接種率が低い多くの国で特に一般的です。
ある研究は、ワクチン接種率が低下した8カ国において、百日咳の発生率がワクチン接種率が維持された国の割合の10〜100倍に急上昇したことを見出しました。
アメリカでは、百日咳の予防接種が利用可能になる前に、ほぼすべての子供が百日咳を発症しました。
約200,000例の百日咳が毎年報告され、9,000例までの百日咳関連死亡が報告されていました。
日常的なワクチン接種の開始以来、百日咳はその数の約10分の1に低下していますが、1年間に約20人の乳児が死亡します。
症例数については、百日咳ワクチンを受けていない子供は、5回の推奨用量をすべて受けた子供よりも、百日咳を発症する可能性が少なくとも8倍高いことが示されています。
死亡の大半は3ヶ月未満の乳児で起こり、百日咳を患う1歳未満の乳児の半分以上が入院します。
そのため、月齢2ヶ月ですぐに乳児の予防接種を開始する必要がある他に、新生児の家族にとっては、初診時、十代、および成人(妊婦を含む)の予防接種が特に重要です。
百日咳が油断ならないのは次のような理由からです。
それは風邪に似た症状に始まり、数日後からは咳が増加し続けます。
だから最初は、それの何か深刻なのかわかりません。
咳が実際に百日咳であることが示されるまでに、
抗生物質(アジスロマイシンおよびエリスロマイシンや他の同種の抗菌薬)は、病気の経過をわずかに変化させるだけなのです。
抗生物質は、少なくとも感染症を治しますが、それはこの咳の病気がどの程度、感染性が高いのかを考えると決して小さいことではありません。
百日咳のような古くからある病気は、まだ日常に潜んでいます。そして特にワクチン接種率が低下した時に再現するのです。
なので、あなた自身とあなたの子供をタイムリーな予防接種を受けることで守ってください。
百日咳が身近で発生しても、パニックになる必要はありませんが、この悲惨で潜在的に致命的な病気の進行を止めるために、軽度の呼吸器症状でも早めに医者にかかる必要があります。
【以下のウェブサイトより引用】