電話: (050) 5806 4417

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 皮膚癌がどのように始まるかに焦点を当てた新しい研究

皮膚癌がどのように始まるかに焦点を当てた新しい研究

ルイス・オルティス・ロドリゲス氏は、プエルトリコのビーチで育ち、サーフィン、水泳、暑い砂浜でのランニングなどを行い、人生で一度も日焼け止めをつけたことがないと言います。

そしてケースウエスタンリザーブ大学の芸術科学部の超高速レーザー分光計を受け、紫外線に曝されてから3ピコ秒以内にDNAに形成される前癌病変が観察されました。

ピコ秒とは1兆分の1秒です。

「これほど早く見られたのには驚きました。」

とケースウエスタンリザーブ大学で化学を研究する、オルティス・ロドリゲス博士は述べました。

 「そして、私が若い頃、私はいつもビーチやサーフィンで上半身裸で走っていて、日焼け止めは老人のためだけだと思っていました。しかしもうそれは異なります。」

オルティス・ロドリゲス氏と、クレスポグループラボの教授で主任研究者であるカルロス・クレスポ氏による新しい研究により、日光にさらされたときに皮膚のDNAに特定の前癌病変がどれほど迅速に形成されるかが、おそらく初めて明らかになりました。

「それは重要です。」

とオルティズ・ロドリゲス氏は述べています。

ネイチャーコミュニケーションズ誌に最近発表された彼らの研究は、科学者によって「DNA(6-4)光付加物」と呼ばれる急速に形成される変異を検出した方法を示しています。

光付加物は、細胞内の光誘導反応によって形成される病変ですが、皮膚がんを引き起こす可能性があります。

クレスポ氏と共同研究者によって科学誌Scienceに発表された以前の研究では、皮膚がんに関連する他の主要な光付加物である『チミン-チミンシクロブタン光付加物』が1ピコ秒未満で形成されることが示されています。

しかし、この研究は6-4光付加物の形成メカニズムを非常に正確に定義した最初のものです。

彼らの発見は、皮膚癌病変が実際にどのように形成されるかをより完全に理解するための足がかりになると信じています。

これは、クレスポ氏が皮膚癌の治療と予防の経済に大きな影響を与えると信じている発見です。

 

 

皮膚がんにかかる費用

皮膚癌財団によると、米国では毎年500万人を超える新規症例が診断されており、皮膚癌はアメリカで最も一般的な癌です。

そして、米国で皮膚癌を治療するための年間費用は約81億ドルと言われています。

この研究ではまた、不快感が数日で消えるため、ほとんどの人は日焼けを心配する必要はありませんが、長期的な皮膚のダメージが何十年も隠れてしまうと断言しています。

「日光にさらされると、毎秒であなたの皮膚にはこういった突然変異が形成されますが、細胞内の酵素はそれらの99%以上を修復します。」

とクレスポ氏は述べました。

「問題は皮膚の修復がされないまま残るのは1%未満で、それが体に蓄積することがあり、そのため多くの場合、年を取ってから皮膚がんにつながる可能性があります。」

クレスポ氏によると、これらの皮膚がんの前駆体の探索は、1960年代後半から本格的に進んでいます。これまで、その形成と反応状態の前駆体のタイムスケールについて、世界中の研究者たちは理解できていませんでした。

「6-4光付加物の形成が皮膚癌につながる最初の前癌病変であることは十分に確立されていますが、その形成の機構的側面を完全に理解していなかったため、この論文では特性評価とその理解に重要な情報を示しています。」

と、クレスポ氏は述べました。

「化学プロセスを理解することは、より良い日焼け止めを作り出したり、DNAへの損傷が発生する前にそれを避ける方法を生み出すのに役立ちます。」

 

 

【以下のリンクより引用】

New research sheds light on how skin cancer starts

Medical Xpress